過去記事の再掲載で作っている総集編を、『昭和40年男』のヘビーユーザーは買ってはならない。とまでは言わないが、何しろあなたの本棚にある記事がほとんどなのだから、表紙に騙されてはならない。だが、1冊にまとまっているから所有したくなったという声が届くのは、うれしくないはずがない。だってね、編集部松崎による工夫と愛の込もった再編集作業はそれはそれは膨大であり、僕はといえば先日もつぶやいたとおりあの手この手を駆使して1冊の大作に仕上げるのだから。
ページを開くとまずウチの発行誌のPRページ、そして目次に続いて現れるのが扉と呼んでいるこの見開きだ。本誌同様、そして表紙同様に力が入る。『昭和が描いた俺たちの未来』は、書き下ろしで読み応えバッチリの序章8ページからスタートして、第1章を『宇宙戦艦ヤマト』で作った。ドーンと30ページだ。ヤマトファンならこれだけで永久保存版である。
続けて第2章を表紙の『ノストラダムスの大予言』から続くオカルト、第3章はスペースシャトルなど俺たちをワクワクさせたリアル、そして第4章は雑誌名に呼応するイマジネーションで締めた。うーむ、完璧な1冊だ。って、出たー、伝家の宝刀自画自賛!!
今回は第2章以降にも1ページの扉を作ることにした。章のテーマに合うビジュアルを探して組み立てたのだ。ここで悩みが生じる。序章の8ページに扉をつけるのはちょっとページの無駄遣いを感じる。ならばいきなり原稿がたっぷりと詰め込んである序章から静かに始まって、ヤマトでドーンと行くべきか。いや、表紙のインパクトから進んでいって、本編が地味に始まるのはいかがなものかと悩み抜いてできたのがご紹介のページだ。
特集全体の総扉と、序章と第1章の扉の3役を演じてもらった。雑誌全体の説明文とかっこよくデザインされた序章のアイコンを右ページに押し込んで、左ページは第1章、つまりヤマトの30ページの説明文を入れ込んだのである。もしもテレサが右を向いていたら、この扉は成立しない。左向きだから見開きにこんな流れの仕掛けが施せたのである。そしてなにより、かつてさんざん涙を流した作品『さらば宇宙戦艦ヤマト』のテレサを使えたのがうれしい。ガキの頃神秘性を感じた、この美しくアートなビジュアルで将来まさかページを作ることになるとは至福である。
てなわけで、なんだか本誌の大編集後記並みのつぶやきが続いているのは、開店しない書店で梱包されたまま陽の目を見ないかもしれないことが悔しいからだ。心血注いで作った分身に、棚で勝負する命が吹き込まれないのだ。これは売れないという評価を受けるよりも、格段につらい(泣)。だからここで買いましょう(笑)。