vol.60は、ネジの目一杯外れた特集で明後日打ち込む。会社にはこんな風に積まれていて、今か今かと出陣を待っているところだ。これらは注文に応えるための予備で、発売日にたくさんの注文が舞い込むと概ねその号の売れ行きはよくて、逆は当然ながら厳しくなる。発売日に注文が舞い込むか否かは、書店さんの店主の勘なのだ。最新号が届いて棚に並べる。そしてきっと、ハッと閃くのだ。「この号は売れる!!」と。すると50冊とか100冊といった大量の追加注文を入れてきてくださる。発売日の事務さんがバタバタしていると少しホッとする僕だ。
11日発売の本が、こうして届けられたのは6日だ。情報が瞬間的につながる現代に、なんちゅう時代錯誤なモノを作っているのだろうといつも思う。そんなだから、社会は雑誌がなくなることをまるで望んでいるかのように、その時代錯誤を突いた。だいぶ以前になるが、経済誌なんか自分が紙のくせに、紙媒体がなくなるなんて記事を掲載してやがった。「うるせえ、黙れ」な気分でそれらにふれていた僕だ。
もちろん、ご周知のとおり紙媒体は厳しい状況が続いている。でも紙に限ったことではなく、メディア全般が苦しい状況に追い込まれているのがリアルだ。ネットがもたらした地殻変動は甚大である。が、思うのは紙だネットだなんて話は論点が全く合っていない、間違っていると感じてならない。そんなのはアウトプットの問題であり、何を世の中に発信するかが俺たちの商売だ。何で発信するかなんざ、瑣末なことだ。
と、いつも突っ張らかっている僕だ。イベントやネットとも組み合わせながら日々発信を続け、他のアウトプットも模索している。先日は飲食関係でちょっと注目の方に面会を求めてきた。『昭和40年男』の世界を飲食で展開する。これも僕にとってはアウトプットの1つであり、メディアであるという捉え方だ。それらコミュニケーションのど真ん中にはやはりコンテンツなのである。僕は出版人ではない。コンテンツメーカーであり、ジャーナリストだ。そしてもちろん声を大にして言いたいのは、数あるアウトプットの中でも、俺は、雑誌が好きだーっ!!!!!!!