まだ『いだてん』を最終話まで観ていないうちに、沢尻さん問題でもめにもめた『麒麟がくる』が始まってしまった。うぎゃーな気分である。よくよく考えれば『西郷どん』も終わっておらず、3作がたまってしまったのは人生初の快挙である(笑)。
僕は『江』でめまいがして以来、女性を主役に持ってくる大河は観ないことにしている。大好きな綾瀬はるかちゃんの『八重の桜』は少々付き合ったが、やはりその無理くりな感じについていけず『花燃ゆ』も『おんな城主 直虎』も初回からスルーしている。つまりここのところ大河は隔年の番組になっていたのだ。ビデオに撮ってためがちな僕にはちょうど良いと思っていたのだが、この3年はそうは問屋が卸さない状況になった。
いつか、というか老後の夢で『利通くんと隆盛くん』という作品を書きたいと考えている僕にとって、『西郷どん』は大注目の大河だった。が、あまり深くは触れないことにするが、役者の頑張りばかりに付き合う作品になってしまい、それでも懸命に消化してあと何作かが残っている。一方、宮藤官九郎さんを勝手に師と仰ぐ僕だから『いだてん』もまた大注目していた。そしてその初日に震えた。主題歌の画像からぶっ飛んでいるし、スピーディな展開と泣かせるところのグッと迫ってくる感じはもさすが師匠だ。『西郷どん』とは異なり、しっかりと観ないともったいないからまだ最終回を迎えていない。というか、終わってほしくないと願っているバカ者だ。あと残り5話だから、酒の入っていない時間に正座しながら観たいと思っている。それにしても、去年は何度この作品に泣かされたことか。もうだらしないほどだった。
が、残念ながら視聴率は振るわなかった。あれだけ大河ファンの求めるものと異なる作品にしたのだから仕方なしで、躊躇せずクドカンワールドを作ったのはあっぱれである。かつて朝の連ドラでの『あまちゃん』もしかり、それまでのファンをあっさりと捨て去った。それでも『あまちゃん』が視聴率を取れたのは、朝でみなさん酒が入っていないからだな(笑)。新しいファンを獲得しての高視聴率だったのは、これまたあっぱれだった。大河は日曜の一番のんびりしたい時間に、酒でも呑みながらゆったり観たい方々が多いだろうから、あのスピード感はちょっと苦しかったな。いつもの大河の2作分以上のネタが、45分にぶち込んであったもの。
その点で、言い方は少々失礼かもしれないが久しぶりに普通の大河だ。それにしても本木雅弘さんがかっこいいですな。かつてうちの本に登場してくれたのが2010年だから10年前になる。この時は『坂の上の雲』の撮影を終えての登場だった。久しぶりに出ていただけないものかな。オファーしてみようかな。
でもね、ハードディスクに『麒麟がくる』がすでにたまり始めている僕だったりする、ダメじゃん!!