第60話 また惨敗、苦手なんだよなあ。(4)

 
つうことで本題に戻ろう。
「昭和40年生まれに限定しようと思うんですよ。
私は25歳からの、とか40歳からの、とかにすごく抵抗あって。
なんだかリアリティを全然感じなかったから
ズバリいくべきじゃないかなと。
いった上できっと前後2〜3歳は対象になりますから。
そもそも…etc」
と、まずは情熱をぶちまけた。
さあ、ここからあっちサイドの反撃だ。

「類似誌はなんですか?」
「?」
まずいぞ、いつものこの質問。
続けてたたみかけてくる。
「書店のどの棚に置きたいですか」
「男性ライフスタイル誌のあたりに」
やばい、あたりとかって弱いジャン。
「このテイストだと
書店がどこに入れるかわかりづらいと思うんですよ。
仮面ライダーとか明日のジョーで
アニメ系の棚に入れるところだってありますよ。
書店さんも忙しいですから、表紙を見てここだとわかるものにしないと」
「あっ、うー」
「ターゲットになる雑誌のテイストに
ロゴを合わせるとかね。
そもそもこの雑誌絞ってあるようで絞れていないんですよ」

やばい。それはこのコーナーでもふれた通り、
リスクは承知の上だ。
だが、そんなことこの場で言ったらますます分の悪い交渉になる。
「あっ、うーっ」

同行した営業マンが切り替える。
「どのくらい取ってもらえます?」
「このままですと○○部ですね」
えーっ、そんな部数じゃ大赤字だよ。
つうか、80万人の首を長くして待っている読者に届かないよ。
 

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