博多天神で「なーに食おうかな」とぶらついていると、昭和丸出しなエントランスの中華料理店『平和楼』を発見した。ちなみにこういう店構えを、昭和グルメ研究家の僕は「いい顔」と表現する。サイトの情報なんて、昭和なおいらが昭和な店を探すときには一切頼りにしない。研究家としての長年の感で街を探索しては、いい顔の店に入る。だってね、ナウでヤングな料理を求めているのではなく、ほっこりとうまい昭和な一皿を求めているのだから。
てな訳で、2階の受付に行くと素晴らししいっ。正真正銘の昭和な内装で、かなりでかい箱だ。後日公式サイトを見ると“福岡で最大の集客を誇る中華レストラン”とある。そう、昭和の店ってのは無駄にでかいところが多くあった。だが時間の流れにへこたれてしまい、多くがダメになっていったのだ。どっこいここはたくさんの客を飲み込んでいる。13時ごろに入店したのだが客でごった返していて、ちょっと侘び寂びのある昭和な店内にも関わらず、活気にあふれていて実に気持ちよかった。
メニューを開くと昭和22年の創業だと挨拶文があった。すげー、戦後間もなくの開店だ。この本店は、開店の地から天神に引っ越してきたそうで、それでもかなり古さを感じさせる。これがよい。そして従業員の動きがイキイキしていて、そのうえ早いったらない。デカ箱なのに料理は「早っ」とつぶやくほど次々に届けられるし、焼酎のロックもいい盛りだ(笑)。新しさは感じないが、正真正銘ほっこりとうまい昭和な一皿だ。
写真は皿うどんを名乗っているが、僕の目の錯覚か焼きそばにしか見えない(!?)。この味がまたまた昭和で、太めの麺が何とも言えない食感で楽しい。つまみ焼きそばである。そして今回感動的だったのが、四川麻婆豆腐で100円追加すると辛さを増せる。しかも、1〜3までのレベルが楽しめるそうで、弱っちいくせに最も辛い3を選択した。うまいうまい、が、辛い辛い。汗だくになりながらも美味しくいただいた僕だ。これもとくに華美な味付けでなく、安定感バッチリの1皿だった。思いがけず、昭和の中華を大満喫できた幸せなおっさんだったのさっ!!