ガキの頃、ハンバーグとカレー、そしてミートソースは最高のご馳走だった。いや、今に至ってもこのトリオは大好きだというおっさんは多かろう。僕ももちろんそうで、特にミートソースは今や僕のライフワークといっていい存在だ。大晦日から始まる4連休の初日に仕事抜きをしながら作り込んでいく。今年も完成は元旦の夕方で、足かけ2年の大作ということになる。
でっかい寸胴鍋を持っているおかげで、大量に作ることができる。肉は2.7キロ、玉ねぎ特大15個、トマトの缶詰を15缶、セロリ2本、しいたけ、えのき、しめじを各1パックずつにマッシュルームが2パック、にんにく1個を使うのだからすごい。赤ワインも1リットル近く使ってしまった。
マッシュルームを除き、すべてをみじん切りにする。ひたすら切るだけで相当な時間がかかかるのは素人ゆえ仕方ないが、機械は一切使わず包丁で愛を込めて切り刻んで準備OKだ。寸胴にオリーブオイルをどっちゃりと流して弱火でニンニクとローリエなどテキトーに用意したスパイス類にじ〜っくりと火を通す。もうこれ以上香りは出ませんと思えたら、みじん切り野菜を投入だ。一方、これまたでっかい中華鍋を持っている僕で、こちらは油なしでやはり弱火でひき肉を炒める。粗挽きと細かい挽き肉を混ぜるのが僕流で、ここでは細かい方だけ2キロを炒める。じっくりと愛しながらだ。イメージは一度出てきた油と肉汁がもう一度肉の中に閉じ込められる感じ。ポロッポロになったらOKで、ここにワインをドビャーッと入れる。しんなりして量が減った野菜類の鍋に合体させて、トマトの缶詰を潰して入れればここから煮込み開始だ。煮詰まってきたらトマトホールを追加する。いや、鍋に入れば一気に入れてよいが、さすがにこの量は我が家の特大鍋でも無理で、バケツに潰しておいて追加を繰り返す。焦げないようにちょくちょくかき回しているうちに年が明け、深夜2時過ぎまでこの作業が続いた。
元旦も早朝から火にかける。最後にトマトを追加したのが10時過ぎだった。ここからは煮詰めるだけの作業で、濃厚なソースに変貌していく。残り1時間くらいだと思えたところで、粗挽きの挽き肉700グラムをここで初めて塩を使って炒める。粗挽きが加わることで食感が楽しく、最近はまっている仕上げだ。残り15分のところでスライスしたマッシュルームを投入して、塩の微調整をする。ここまでやったら隠し味とか言わない。塩だけで勝負すれば、昭和なミートソースの完成だ。写真をご覧の通り、タネも仕掛けもなくて美味しそうでしょ。手間とかテクニックがいらないおっさん料理だから、皆さんもトライしてみてはいかがだろう。家にある一番大きな鍋に、生の挽き肉で1/3程度の量が目安だ。それに合わせて他の材料を加減してトライしてみてくれっ。びっくりするほど美味しいのがきっと完成するぞ。と、昭和のおっさんの趣味講座でしたーっ!!