悩み抜いた表紙 ~大編集後記。

さあ、いよいよ明日が今年1発目の発売日だ。2020年に突入して、新しい20年代の始まりとなるこのタイミングしかないだろうと、2つの特集をお送りする。これによって、堂々と記念号を名乗らせてもらうことにする。

 

巻頭特集は、20年代に突入する年だからと、改めて過去を眺めることから始まった。俺たち世代が経験した〇〇年代は、70年代から去年までの10年代の5つに、また新たに20年代が加わったことになる。6つかあ、歳を取るわけだと今思った方も多くいるかもしれない。ともかくこれは事実なわけで、なんとか特集と引っ掛けたいと編集部では議論を繰り返した。そして「これだーっ」となったのが、これまで経験してきた5つの〇〇年代転換年の中で、1980年が特別な光を放っている。ならばこの年を切り取ってみようとのことだった。ちょっと待て、それでは連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』とかぶってしまうではないか。いやいや、そこで我々は1つのキーワードをひねり出したのだ。それが“謎”である。今回はそれを紐解くことを主眼にして『夢、あふれていた俺たちの時代』との差異を作り込むことにしたのだ。誤解していただきたくないのが、80年代の特集ではない。80年代の起点となり、日本の転換年とも言える1980年に潜む謎の特集なのだ。

 

それゆえに、証言者の記事が多くなり、特集を象徴するような強いビジュアルが見当たらないという事態になってしまった。すると表紙作りはこうしてネタの寄せ集めになる。いろんなパターンを作り込んだ。寄せ集めにすることで、当然なからどうしてもパワーが分散してしまうから、それぞれが喧嘩するようなネタで揃えることが肝要だ。そこで僕はウォシュレットに白羽の矢を立てた。果たしてこれまで男性誌で表紙を飾ったことがあるだろうか。うーむ、これにて大きな破壊力を得たとニヤニヤしている変態なのさ。そしてこれもちょっとした仕掛けで、ルービックキューブ風のビジュアルの中にルービックキューブを入れてみた。

 

さらに悪ノリは続く。『夢、あふれていた俺たちの時代』は1970年を切り取った。1980年と並び、日本の転換年として力がある。実はこの連載企画は、1971年から昭和の最後となる1988年までを行ったり来たりで連載しているから、1970年は取り上げたことがない。だが、このタイミングで記念号とするならこの展開はありだとウキウキしながら作り込んだ。1970年ネタからは太陽の塔とトミカを表紙に加えて、ますます破壊力が出た。フッフッフ、これにて完璧な記念号の出来上がりだ。まだまだ正月気分で過ごしたい週末のお供に、ぜひ手に入れてくれ!!

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