【懐かしの名盤】ロッド・スチュワート『Every Picture Tells A Story』(1/6)

これまで2枚の名盤を紹介してきた、ブログ特別不定期連載記事『懐かしの名盤ジャンジャカジャーン』の3枚目だぞー。この連載は音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、僕の独断でセレクトしていこうというものだ。3枚目はズバリ、ロッド・スチュワートの『エブリィ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー(Every Picture Tells A Story)』だ。このセレクトはロッドファンなら頷く方が多いだろう、文句なしの傑作である。それにしても、クイーンに続きロッドを出すあたりは、雑誌『ミュージック・ライフ』にどれほど影響を受けているんだと自分自身に突っ込みたくなるが、中学1年生のころは完全なる洋楽ミーハーだったのだから仕方ない。

発売は昭和46年で、リアルタイムで聴いた昭和40年男はほとんどいないはずだ。僕たち世代得意の、好きになったら一直線に古いアルバムまで聴き込んでいき、その過程で出会ったという方がほとんどだろう。ロック史に残る名曲『マギー・メイ』が収録されていることもベストアルバムとする大きな要素かもしれないが、もちろんそれだけでロッドのベストに選べるほど簡単な話じゃない。彼の長いキャリアで作り続けた作品は素晴らしいものがたくさんあるからね。それでも堂々のベストといえる輝きは、ズバリ勢いだな。抜群の声と歌唱力に、ちょうどいい荒さになって入っている。曲全体も同様、1枚通して聴き応えがある。

ロックという音楽の歴史はごく浅いもので、このアルバムが出たころはまだまだ黎明期といっていいだろう。60年代後半から巨大なビジネスへと変貌しながら、多くの才能と金と思惑が投入されていった時代で、70年代の前半まではロックミュージックそのものの伸び代が大きく、進展のスピードが最も早かった。ミュージシャンたちは、先例がない中で模索しながら作っていこうというエネルギーに満ち、その中でロッドも意欲的な作品を次々リリースしていた。本作はその頂点といえる1枚だろう。このころは所属したバンド、フェイセスでも素晴らしい作品を次々リリースしている、ロッド自身においても黄金期である。(続く)

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