75円突入という刺激的なコピーが踊った先週末である。対ユーロも100円を切るのではという水準まで来てしまった。さあどうする。日本の製造業の限界点だろう。震災で大きく傷ついた直後のこの動きは本当に痛く、深刻この上ない状況で、明日以降の取引から目が離せない。今日は夏休みを海外で過ごした方々の帰国がピークだそうで、円高で買い物を楽しんだと笑顔がこぼれていた。皮肉なものである。
力のある国内メーカーは海外への拠点シフトをますますスピードアップすることだろう。だってねえ、この円高の流れを止める材料が見当たらないからね。世界を俯瞰で見るとちょっとおかしいほどの円高だとは思うが、北米と欧州がこの状況では仕方ない。比較論で円には安心してくれるものの、企業業績には期待していないから資金が流れて来ない。景気後退とデフレが進んでいくだろうから、政府には複合的な対策が求められているのに代表戦だよ。89兆円ものアメリカ国債を所有する中国に、いまだODAのカタチで献金しているのも、なんだかこの状況下でバカバカしいったらありゃしない。
政府の対策を待つだけでなく、いい仕事をすることが大切なんだろうな。価値のある、財布に刺激的なものやサービスを次々に生み出して、高くなった円を回して行きましょう。のんきな話のようだが、指をくわえてただ見ているだけじゃ悔しいものね。社会の中間管理職者だという自覚を持って、強く邁進していきたいものである。