明日は今年の『昭和40年男』系雑誌の最終発行日だ。“系”と言えることが、令和元年の僕らの頑張りなんだと少しだけ胸を張る。奇数月11日発売の本誌に加え、偶数月には過去の記事に手を加えた総集編をリリースし続けた。さらに10月には兄弟誌の『昭和50年男』を創刊させて、現在2号が大好評発売中だ。と、今年は明日リリースの14冊目で千秋楽である。
歌謡曲が子供っぽいと漠然と思い始めたのは中1の僕だ。今考えればバカげた話だが、背伸びしたい年頃は勘違いも多々ありながら成長する。テレビよりもラジオの方がカッコいいと思い始めた頃でもあり、そこから洋楽の知識を蓄えていった。歌詞がわからず、曲もなんとなく大人っぽくて背伸びしたがりの中坊にピタリとハマった。このつぶやきでちょくちょく出てくるラジオ銀組『ダイヤトーンポップスベストテン』は、当時の僕にとって最大にして最高の情報収拾源だった。多くのヒット曲から徐々に自分の好みが形成されていくと、もう背伸びでなくジャンキーになっていた。むさぼりつくように聞きまくっていたあの集中力は、きっと今にも役立っているだろう。アルバムを買えば歌詞カードを眺めながら一音一音をこぼさないように聞いたから、あの頃のアルバムは歌詞を覚えているほどだ。
紙媒体も重要な情報源で、今回の総集編『俺たちを背伸びさせた洋楽&シティポップ大全』に登場している東郷かおる子さんが編集長時代の『ミュージックライフ』は、20日の発売日に僕を書店へと走らせた。ここから得る情報と『ダイヤトーンポップスベストテン』を掛け合わせて、クイーンやロッド・スチュワート、チープトリックなんかにはまリ、アルバムを手に入れた。それまで知らなかったミュージシャンの名前と曲を知るたびに、自分なりの分析をしていきながら好みの変化を繰り返した。大好きだった曲やシンガー、グループにまるでときめかなくなったりその逆もたくさん経験した。これは自分でも不思議ながら、当然のこととも捉えて楽しんでいた。
洋楽に背伸びを始めたのは40年以上前、1978年の暮れに近い頃だった。そして初めてアルバムを買ったのが、翌年のお正月でクイーンのその時点での最新作『ジャズ』を手に入れた。今年は僕の洋楽ライフの40周年イヤーだったのだ。うーむ、思えば遠くに来たもんだ。だがあの日、A面に針を落としていきなり響いたフレディの声から受けた興奮は、40年の時間経過をぶっとばしてしまうほど鮮明であり、この経験が明日の発売につながっているのだ。ぜひっ、手にとってみてくだされ。
いつも楽しく「昭和40年男」を読ませて頂いています。
昭和の時代イタリアなどでは日本のアニメや特撮、はたまたプロレスなども輸出されていたとお聞きします。
そこで海外の「昭和40年男」当時少年だった外国人目線の特集など有ったら面白いのではないでしょうか?
他にも海外日本の40年男同士のニッチな座談会などあれば、同じようで違う文化の関わり方などが理解できて面白いのではないでしょうか?
意外とこういう話は日本人好きしそうではと思い、ご提案させて頂きました。
これからも 楽しい誌面作り応援しております。