僕らが作った本に、手書きポップがいくつも付いている。感激である。涙である。しかも売れ切れ店が多いらしい (僕の定点観測ポイントはすべて早々に無くなった) 中で、『昭和50年男』がしっかりと並んでいるのは、相当の数を注文してくださったのだろう。ありがたい。
この店は上野のアトレの中にある明正堂書店さんだ。サイトに、“出勤前、あるいは仕事帰りに。今日中に本が読みたい!
そんなお客様の声にお応えできるよう、朝8時 (日曜・祝日9時) から夜22時30分まで営業しています” とある。本が好きで、読者を愛している店主の姿勢が見える。それはこの言葉だけでなく、売場全体から感じられることだ。何も僕のところがこうしてもらっているからよいしょしようと思っているわけじゃないよ(笑)。
広〜い店舗ながら、まさしく所狭しと本が並ぶ。うちの会社の倉庫から無くなってしまった号までも陳列されているように、ちょっと手に入りづらいものがバシバシ置いてある。それも棚にひと工夫、ふた工夫かけてあって、店主には失礼な例えかも知れんが、ドンキホーテのごとくパワフルなのだ。当然ながら店内は人でごった返している。
世の中、本に限らず「売れない売れない」と嘆く輩が多い。全部世間のせいにすりゃあそれは楽チンだ。が、こうして努力なさっている姿を見たらそんな言葉は吐けない。ましてや本の作り手が言ってはならないと強く思う。売れづらくなってるのはリアルだが、売れないと言っちゃあおしめえよ。明正堂書店さんに限ったことなく、現在ある書店さんたちは必死の努力で僕らの魂を扱ってくれているのだ。と、そんなふうにやる気に火がつくから、僕はここによく立ち寄るのさっ。ぜひっ、雑誌ジャンキーの皆さんはのぞいてみてちょうだい。