伝説の番組のスタートは、高1の春のことだった。洋楽の情報源のメインはラジオで、そのルックスはほとんど雑誌から得ていた。お気に入りのミュージシャンの動いている姿を見られる機会はほとんどなくて、ごく稀にテレビで見ることができた時は、すげー貴重な時間で得したなと感じていた。こうして書いていると現代人たちには信じがたい話だろうな (笑)。
いつも興奮しながら観た。我が家は電気屋なんで、早い段階でビデオデッキがあったから、注目のミュージャンを狙って録画した。電気屋といっても、当時は高価だったビデオテープは使用に制限がかかっていたから、厳選して録画した。そしてそれを何度も何度も観ては憧れたものだ。当時はミュージシャンを目指して日夜ギターを弾いていたから、ギターが売りのバンドだと好き嫌いを問わず録画しては研究した日々だ。
強く記憶に残っているのが、再結成されたイエスが登場するという日だ。どんな難解な曲をやってくれるだろうと大注目していた夜だ。ついにその瞬間が来た。動いているイエスを見られる時がくるなんて神に感謝感激雨あられ!! が、ご存知「ロンリー・ハート」で「ポ、ポ、ポップスじゃン」とひどく落胆した。『ベストヒットUSA』にまつわるもっとも強い記憶だ。
高校時代の僕の音楽的な嗜好は常に変化を重ねていた。そんな中で必ず注目の曲が入っていた、守備範囲の広い番組で本当にありがたかった。そして当時のままに、小林克也さんが活躍なさっていることは本当にすごい。アメリカを身近にしてくれた番組であり、氏だった。てな訳で、さあ、書店へといそげっ!!