つい先日、真夜中の赤坂でこんな光景に出くわした。昨日は冬への突入をぼやいたが、こちらは大歓迎である。TBS本社前のライトアップは毎年僕を楽しませてくれ、寒い日をあたたかな気分にしてもらえる。誰もが喜ぶライトアップだ。
クリスマスツリーに灯りがともりと歌ったのは甲斐バンドの安奈だ。11月に突入して街のあちこちで次々とツリーが登場する。設置こそそれぞれだが、撤収はほとんどが25日の深夜〜26日の早朝に行われ、迎春の景色へと変わる。この瞬間を迎えられると、感謝の気持ちが心に満ち満ちてくる。新しい年へと向かって、すべてにありがとうと心がつぶやき始めるのだ。
大晦日とお正月の3日は完全オフだ。それ以外はほとんど休みはなく、毎年1月3日の夜にそう覚悟を決める。とはいっても僕の仕事はそれって仕事なの?と世間からは言われてしまうようなものが多いから、その上普段から休みを取っていたらバチが当たるだろう。
そんな仕事ながら、積まれた仕事の山は年々高くなっている。50歳を過ぎたらもっとラクができるのだろうと、若い頃はイメージしていた。ところがず〜っと以前より、毎年今年が最もしんどかったと思いながら年越しを迎え、今年もとどうやらそうなるだろう。それでも歯を食いしばっているのは、前述したとおり、大晦日に“すべてにありがとう”の気持ちになれることを目指しているからだ。赤坂でのひとりの夜。冬支度の作業をしばらく眺めながら、へらへらと笑みを浮かべて一瞬だけ大晦日への逃避行を楽しんだ。ほっこりとできたいい夜だった。