ひゃー、この内容はまさにお宝だよ。昭和58年の7月発売号だから、僕は18歳の誕生日直前のセブンティーンの夏だ。残念ながら名家の出の僕(!?)なんで、当時『スコラ』は愛読できなかった。せいぜい『GORO』止まりだった僕で、今読んでみると残念だったと思えるほど充実した内容だ。
昭和40年男にとっての “明日への元気と夢を満載” のキャッチコピーが、こちらは “ニューウェイブマガジン” と表紙に謳っている。なるほど、当時のニューを満載にしているのだなと表紙をめくるといきなりヤマハのバイク広告だ。ニューな男たちはバイクに乗ったということになる。ずいぶんと時代は変わったものだ。全体を通じて、クルマの話題が多く、モーターショーがおっさんだらけになってしまった現代と大きく異なることが見て取れる。
そしてなんてったって女の子に関する記事が多い。この特集タイトルは素晴らしいじゃないか。
完璧大特集●こうすれば絶対に成功するゾ!
ギャル攻略大作戦
ときた。直球ど真ん中ストレートなタイトルが心地よいじゃないか。表紙にもっとも大きくこのタイトルが記されているのに、特集はなかなか始まらない。グラビアがあり、コラムがどっさりとあって、北野 武さんと桃井かおりさんの対談など読み応えばっちりの記事が踊る。シネマ紹介の記事に目を落とすと『フラッシュダンス』が紹介されていて、まさしくあの夏にフラッシュバ〜ックしてしまった。
そしてやっと特集が始まったのが134ページからという、なんちゅう豪華な雑誌なんだとうなってしまうのは雑誌屋の端くれとしては当然である。この特集の扉がまたよい。TOKIO GALS MAPとしてあり、山手線の主な駅プラス吉祥寺・自由が丘を、ギャル量という表現の10点満点の採点と一言コメントを出している。注目だったのはまず上野。3点でハッキリ言ってイモです。と来た。クーッ!! 渋谷は堂々の10点でいつでも盛況。土日はパニック。としている。うーむ、渋谷は今も昔も変わらないなあ。
全体を見終えると、表現が大きく変わっているのに気がつく。とことん自由闊達なのだ。何をも恐れない、社会に向かっている姿勢がものすごく気持ちよくて、病的なまでに臆病になっている現代との差異が際立っている。こうしたはっちゃけた雑誌や表現があふれていたから、世の中が元気だったのだな。