最新号の締め切り直後、札幌でイベント仕事があり久しぶりのすすきのの街を堪能してきた。仲間と散々呑んで別れ、宿へと向かう道でついつい誘われてしまった。ダメだとわかっているのに、なんでやっちまうのだろう。体にいいわけないが、わかっちゃいるけどやめられないと開き直れるのはクレイジーキャッツのおかげだ。
20代だったら、いや、30代でもいけたかも知れんが、54歳のおっさんは脂ギッシュなのがすっかり苦手になってしまった。お店の名誉のために言っておくが決してまずいわけではない。深夜だってのに地元っぽい客で賑わっていて、きっとうまい一杯なのだ。浅草秘密基地の常連メンバーで結成され活動(!?)している、メンクラ(麺ズクラブ)というライングループがあり、皆さんが上げてくる写真のそれは若いメニューも多い。彼らもきっとこの味噌ラーメンを楽勝で受け入れるだろう。
サッポロ一番のみそラーメンしかまだ知らなかったガキの頃、初めてラーメン店でみそラーメンを食った時の衝撃を忘れない。当時はニンニクとは知らなかった、あのガツンとくる感じ。もやしを中心とした野菜がドーンと乗って、濃厚な味噌味のスープに太い麺は、サッポロ一番とはまったく異なる食い物だった。へんな表現になるが、プロの料理ってのはこういう一杯なんだなと感じた。以来、みそラーメンの原型は生家の近所の名店『ハルピン』のものがベースになっている。
このつぶやきで紹介したことが何度かある、浜松町の貿易センタービルにある写真の味噌ラーメンは思い出の『ハルピン』の味に近くてちょくちょく利用する。ガツンときたあの日をいつも思い出させてくれるのだ。昭和好きなおっさん諸氏はぜひ出かけてみてくれ。極めてフツーだぞ(笑)。
思えば、俺たちがガキの頃からのラーメンの進化は、その足を止めたことがないのではないかというほど凄まじい。でもどっこい、その足を止めたままながらうまい昭和な店も多い(昨日つぶやいた店もそうだ)。貿易センタービルのここもどっぷりと昭和な味で、しょっぱいしょうゆとともに俺たちが小学生の頃の味がする。札幌で食ったナウでヤングなみそラーメンは800円。690円の昭和に対して多くの足し算がされているのだろうが、僕にはその足し算のみそ(みそだけに!!)が見つけられなかった。つまり僕の舌はまったく進化していないということだな、トホホ。