上條淳士さんのセンスに学ぶ!!

表現の仕事において、いや、そもそもどんな仕事においてもセンスってヤツは大きな武器になる。マンガの世界ではそれが嫌という程出てしまう。ない人はきっと悩みながら学び続けて、センスのいい人はもっと上が見えちゃうのだろうな。

 

初めて『TOY』を見たときは震えた。僕にとっては、江口寿史さん、鴨川つばめさんと並んで上條淳士さんは、3大ミュージック系センス作家だ。作品に漂う雰囲気がそのまんま音楽っぽい。その上、『TOY』は音楽マンガなのだからこれは完全に反則である。連載が始まった頃は20歳で、ライブハウスでガンガン歌っていた頃だ。うまくいったりいかなかったりの自分に比べて、トーイの出世は羨ましかった。

 

上記の3人の作品に触れるとため息をつきながら、自分の仕事に「センスねえな」とつぶやいてしまう。だからパワーで押しまくってなんとか形にしているってな僕の仕事術だ。これは音楽においても同様で、ないものねだりをしても仕方なく、今の雑誌作り同様に力で押しまくる暑苦しい音楽を得意としているから、女の子にはモテない。MCの仕事をこなすのもパワーで乗り切っているのだから、僕のキャラは結局それなのだ。

 

センスってのは生まれ持ってとか言う人がいるが、それはきっとアスリートの世界のことで、それもせいぜいコンマ数%ってなレベルだろう。ほとんどが努力と環境によって鍛えられるものだ。僕の場合、幼少の頃より趣味なんかでチョイスするものからいちいちセンスがなかった。子供心にも、それはちょっと子供っぽいよとわかっていたから、背伸びすることを心がけたりして自分自身に抵抗した。好みでなくともきっとわかる日が来るのではないかと、そんな努力だけはしていたな。そんな日々だったから、3大ミュージック系センス作家の作品に唸りながら何度も何度も読み返した。少しは身についている気がしなくもないが、いやいや、こうして久しぶりに作品に触れるとそれは気のせいだとわかる(笑)。

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