地元のスナックで平成最後に入れたボトルだ。しかもちょうどその日は最後の大安吉日で、こうしてボトルに書き込んだ。改元騒ぎもだいぶ落ち着きを見せているが、あの喧騒は楽しかったなあ。そして今年の暮れには、また改めて改元を感じさせてくれることだろう。
ここはじつに居心地がいい。決して歳を聞てはならない自称美人ママと、それを囲む男たちに若者はいない。よくぞそんなお年でという方々が元気に酒をくらい、カラオケで何曲もひねり出すのだから感心させられる。独特のコミュニティが形成されていて、日本中のあちこちで夜な夜なこんな時間が繰り広げられていると思うと、それもまたなんとも楽しい気分にさせられる。
出張が多い僕は、居酒屋の後にスナックかバーに行く。飲食店が立ち並ぶような地方都市では、圧倒的にバーだ。なぜかといえば、僕の経験上そうした街のスナックは高い。乾き物とカラオケが目的なのに4〜5,000円とかって言われるのがほとんどで、だったらバーでじっくりと濃い酒でマスターと会話を楽しんだ方がよっぽどコスパがよい。地方都市のバーは、銀座みたいに高くつく店はほとんどないから安心して長っ尻する。
逆に、寂れてしまったかつての繁華街では断然スナックがいい。「旅の者です」と名乗って初めに値段交渉をするのが、無粋なようだけど僕流だ。安心して地域の方々とのんびり過ごしたいから、ぼったくられるのではと気にしながら呑む方がよっぽど無粋だとそうするようしていて、ほとんどの場合2,000円で話がつく。地域の爺さん婆さんと一緒にカラオケで盛り上がったり、小さな街の話を聴く時間のなんと豊かなことか。「昭和40年代のここら辺はね、そりゃあ賑やかだったんだ」なんて話が、よそ者にはしみるのだ。
さて、僕が通うスナックも毎度2,000円だ。来ている客も爺さん婆さんばかりで、よくよく考えると地方の寂れた街のスナックと変わらないじゃないか。うーむ、その爺さんに僕もそろそろ仲間入りしている気もしなくもない、今日この頃である(笑)。
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