昨日から入る予定だった鈴鹿サーキットに、仕事の波に負けて今朝入った。プレスルームはすでに多くのメディアが入り、ごった返している。さあ、いよいよ夏の祭典『鈴鹿8耐』の取材が始まった。
初めて取材に来たのは1999年のことだった。おーっ、まだ20世紀だよ。右も左もわからないサーキットで、買ったばかりのカメラでバイクを追い続けた。以来、1度だけイベント仕事がぶつかってしまい欠席したことがあるが、取材20周年イヤーであり20回記念となるのだ、パチパチ。そのメモリアルイヤーが過去にないほどの盛り上がりを見せているのは、勝手ながら僕は持ってるなとニヤニヤしてしまう。
10年ひと昔といったのはもう過去の話で、今や1年ひと昔と言いたくなるほど時間の流れが早い。その早さに人の心がついていけないからだろう、社会に嫌な話が増える一方だ。じっくりと時間をかけなければ心に染み込んでいかないことは、現代社会でも多々ある。そこと実際に過ごしている毎日との乖離が、人をますます不安にさせてしまう。そうして、乾いた毎日を送ることをまるで強要されているかのようだ。
『鈴鹿8耐』はここ近年お客さんを取り戻している。本質の感動がここにあるからだ。バイクブームが去って『鈴鹿8耐』も動員は落ちるところまで落ちた。そこに客寄せパンダのようなコンテンツで対策したものの、全く効果は上がらなかった。しかし昨今は、レースをまっすぐに伝えることに努力したきた。そもそも、8時間を戦う姿にはいつの時代でも変わらない感動があり、20年の取材歴を振り返ってもそれは変わらないのだ。こうして、人の支持を取り戻していることがうれしくてならない。明後日の夜7時半、どんな感動を連れてきてくれるのだろう。