卵が値上げになって、僕の定番中の定番である牛丼並盛りと卵のセットは450円になった。とはいえ、コスパは十分でいつも大満足の僕だ。会社のそばには2軒の吉野家があり、出てくる牛丼に若干の差異がある。キチッとしている(A店としよう)のとそうでない店(B店)なのがおもしろい。先日、B店に入っていつものヤツをオーダーすると写真のこいつが出てきた。思わずこうしてシャッターを切った僕だ。
B店では、ご覧のように肉がじっくり煮込まれているときがある。なんでかよくわからんが、A店の肉の状態はいつもほぼほぼ均一であるのにB店はこうしたときによく出くわす。そしてこの日、ささやかな幸せをかみしめたのは並なのにこの肉の量だということだ。以前、ここでつぶやいた“アタマの大盛り”にがっかりしたことがある。これは多くの方から共感を得たことで、つい先日の読者のつどい『浅草秘密基地』でも話題になった。「編集長もつぶやいていたけどさ、頭の大盛りなのにごはんが見えちゃダメだよー」という参加者と、僕は深く繋がったのだ。
偶然にもその翌日のことだった。いつものように席に座り待つこと少々で出てきた瞬間「こっこっこれは、頭の大盛りに匹敵する」と心が叫んだ。しかも前日に話題にしたばかりの牛丼である。近頃、A店の肉の量に少々不満を感じていた僕は、次回もここにくることを誓ったのだった。とはいえ、いつもこうでないのもB店のおもしろさだ。
写真の通り肉の色が全然違う。しっかりと味が染み込んでいて、これもまた幸せである。きっと賛否両論だろうな。そしてそもそも、こうした色にまでなったのに出くわすことは、よその街の吉野家でほとんどない。ダブルの幸せの代金は、くどいようだが10円値上げされて450円。満足を得た僕は80円値上げした780円の本を作る現場へと、気を引き締めながら戻ったのだった。