毎回、悩み抜いて作るのがこの特集の冒頭を飾る扉ページだ。僕は『昭和40年男』に限らず、雑誌てのは毎号必ず買ってくれる読者さんはほんの数%だと考えている。知名度が上がれば上がるほど、吟味してくれるチャンスが増える。だから知名度アップの努力は怠らない。だが、最終的にレジに運んでくれるのはその号と手に取った方のフィット感しかない。ネット社会の現代なのに、書店・コンビニの販売量に比べると圧倒的に少ないことを考えてもそういうことだろう。表紙を見て、パラパラめくって、フィット感を確かめていざレジという方が圧倒的に多いということだ。だから表紙は極めて重要であり、第二の表紙と言っていい特集の扉は僕にとって重い作業だ。
今回の扉の写真は、千葉県の九十九里ロケを敢行した。右下のI love youの文字は僕の筆…、もとい木の枝によるものだ。いろんなバリエーションで砂浜に書いては、僕の携帯でテストしてから撮影した。ここだけの秘密で、その僕の携帯バージョンを公開しよう。
1時間以上に及んだロケで、結局海に対して斜め右に書いたバージョンを選んだのだった。
ここに特集の内容を伝えつつ、その後に続くページに期待していただく文章を書く。できるだけ短くしたい。でも、内容を伝えるだけでなく、特集をとおして感じていただくスピリットは盛り込みたい。今回のふざけきった文章に、どれだけの魂と時間を注ぎ込んだかなんて苦労話はしてはならぬ(笑)。そして、こうした苦労が実を結んだ。昨日、奇跡が起こったのだ。
マンスリーゲストとしてエフエム世田谷の『アフタヌーン・パラダイス』という番組に出演させていただいている。シンガーソングライターの杉 真理さんとアシスタントの山口真奈さんがお相手してくださって、素人の僕を毎度うまく引っ張ってくれている。ふたりは毎週木曜日のご担当で、僕は第3木曜日が出番だ。が、第2ながら昨日は木曜日だ。図々しいことに、うまく重なった発売日に出たいと嘆願した。すると快諾してくれて、昨日出演させていただいた。さらに、僕の図々しさは続く。「山口さん、今日、この扉の文章を読んでいただいていいですか」と。これまた快諾いただき、昨日の放送ではぬぁんと、プロによる僕の駄文朗読が実現したのである。コミュニティFM局の番組ながら、全国をネットしているしインターネットでももちろん流しているから日本中に響き渡ったことになる。フッフッフ、いとしの真奈ちゃんの声で、最後の決め台詞「旅に出るなら新島だぜっ!」とキメてくれたとき、僕のハートは宇宙までぶっ飛んだぜっ!!
ぜひっ、この素晴らしい扉をハートで感じて欲しい。今すぐ書店へと走ってくれっ。