「アンタ、あの娘のなんなのさ?」昭和50年・第26回『NHK紅白歌合戦』と共に当時のヒット曲を振り返る!

国民的歌番組、「NHK紅白歌合戦」(以下、紅白)は今年令和元年の大晦日の70回目という節目を迎えます。近年ではかつてのような視聴率を獲得できず、人気が低迷していると言われていますが、昭和40年男世代の幼少期~青年期は、ほとんどの国民がテレビにくぎづけになったほど! そんな紅白の出場リストから、その年のヒット曲や話題の歌手を振り返ってみましょう。第5回目はダウンタウン・ブギウギ・バンドが「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」で初出場した 昭和50年・第26回大会です。

実力派アイドルと異色グループの登場

この年のトップバッター、岩崎宏美と細川たかしは日本レコード大賞では最優秀新人賞を争ったという二人の対決になりました。南 沙織やアグネス・チャン、桜田淳子や山口百恵など数多くのアイドルが脚光を浴びるなか、新人アイドルらしからぬ圧巻の歌唱力で、デビュー年に初出場を飾った岩崎宏美が輝いていました。また、レコードデビュー3年目のキャンディーズが5thシングル、「年下の男の子」のヒットで初出場。対するは『笑点』(日テレ系)の企画ユニットとしてデビューしたずうとるび「初恋の絵日記」でした。当時女性3人のアイドルユニットというのは珍しく、異色グループずうとるびとの初々しいグループ対決となりました。

そしてなんといっても、この年の大きな注目は、その歌詞のセリフ(ほぼ全歌詞がセリフですが…)「アンタ、あの娘のなんなのさ?」が流行語にもなった「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」ダウンタウン・ブギウギ・バンドでしょう。歌のほとんどがセリフというインパクトもさることながら、「つなぎ」を着たそのファッションスタイルは、当時としてはかなりセンセーショナルだったと思います。つなぎといえば作業服的なイメージ、それをステージ衣装にしてしまう斬新さが若い世代を中心に受けたのです。「港のヨーコ・ヨコハマ・ヨコスカ」大ヒットにまつわる、当時のお話は、『俺たちの胸に刺さった昭和ソング』P66~69で、まさにこのつなぎの発案者、ドラムを務めた相原 誠さんがたっぷりと語っていますので、ぜひご覧下さい。

白組トリ争いの軍配は、五木ひろしに

毎年、トリは誰が務めるのかが話題となりますが、この年の白組のトリも例外ではなく、五木ひろしと布施 明の二人がその座を争いました。結果的には五木ひろしがトリ、日本レコード大賞では「シクラメンのかほり」で大賞を受賞した布施 明がトリ前という歌唱順に。もちろん、レコード大賞は大晦日の夜に決まりますから、その時点で紅白のトリはすでに決まっています。レコ大では最優秀歌唱賞だった五木ひろしでしたが、自身初のトリを務め、その後最多タイの13回のトリ(うち、6回が大トリ)という偉業を達成しています。

そして、シンガーソングライターの時代到来

この年、ヤマハ音楽振興会主催のポピュラーソングコンテスト(ポプコン)から、すい星のごとく現れた中島みゆきをはじめ、小坂恭子、山崎ハコ、森田童子らがこぞってデビュー。「あの日にかえりたい」がドラマ主題歌となり、幅広い層に認知された荒井由実(現・松任谷由実)など、女性シンガーソングライター時代の幕開けを感じさせる年でもありました。残念なことに、当時彼女たちはあまりメディアに登場することはなく、テレビで観る機会がほとんどありませんでしたね。ちなみに紅白には、中島みゆきが2002年、松任谷由実が2005年にそれぞれ初出場しています。

※当時のレコードジャケットなどは、「昭和40年男」6月号増刊「俺たちの胸に刺さった昭和ソング」P14~15に掲載されていますので、あわせてご覧下さい。(「昭和40年男」編集部・まつざき)

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で

1件のコメント

  1. らから親あー?差はないらしいです了解ですららのこと

コメントは受け付けていません。