幸せの瞬間。

昭和37年女松崎は部員の誰もが恐れる、編集部の女番長だ。僕を含め、ダメな仕事をしているヤツや特に進行を守らないヤツは痛い目に合う。「ボーッと生きてんじゃねーよ、顔洗って出直してこいーっ」とパンチが飛んでくるのだ…、と、この物語はフィクションです。

 

いやいや、ここよりは冗談ではない。彼女の仕事のテキパキぷりったら手前味噌だが気持ちがいいくらいで、それだけでなく痒い所に手が届くという点でも、だらしない僕はすげー助かっている。その彼女から「編集後記は〇〇文字で〜す」と声が掛かると、僕は幸福感に包まれるのだ。綱渡りだったけど終わりが見えたんだなと安堵できる瞬間だからだ。

 

250文字と言われペンを取る。いやっ、キーボードに向かう。たかが250文字だ。毎日書いているこのつぶやきは800文字前後で綴るように心がけている。スマホで読んでくださる方が圧倒的だろうと考えると、それ以上はかったるいはずだ。紙ならば何万文字でも読んでいただけるだろうが、このつぶやきコーナーのデジタルアウトプットはそれくらいの文量が適正サイズだと僕はそう心がけている。

 

毎日の800文字に比べれば250文字ってのは楽勝かといえばそれはない。ましてや舞台が編集後記となると悩ましい作業だ。短い文字量にパシッとネタを詰め込んで、出来上がった本に対しての僕の意識だったり、または購入くださった方々への感謝だったり、もしくは人となりを見せることで雑誌を身近に感じていただいたり、様々な狙いがある。そのどれかに絞ったり複数の目的をクロスさせたりしながらで書く。たかが250文字、されど250文字なのだ。そして書き上がると、今回の号で苦しんできた全てが解放されたような気分になれるのだ。

 

今回もなんとか1冊が生み出せそうだ。編集長に復帰して1年が過ぎた号はとびっきりネアカな1冊になった。男はつらいよやお母さんを特集した雑誌が「これをやるかっ」と、日本中から感嘆の声が上がることだろう。そう、期待を込めて今夜は呑みます!!

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