7月11日発売となる、vol.56号の〆切作業に追われている。どうやら今回も騒ぎが起こせそうだとの手応えを、少しずつ感じながらの作業だ。テーマはまだ未発表にしておきたいのだが、先日エフエム世田谷でのマンスリーゲストの仕事で、お相手の杉 真理さんに聞かれてついつい喋っちまった僕で、リスナーの方々は内緒ですよ(笑)。
去年の今頃、編集長復帰作となる50号記念号を作っていた。久しぶりのタクトでかなりビビって取り組んだものの、なんとかいい本が作れた。復帰作だから自分の得意分野でやろうと音楽をテーマにして取り組んだけど、自分がハマった世界観からは大きく距離を置いた。大好きなミュージシャンを取り上げ出すと、どんどんカルトなロック本になってしまう。『昭和40年男』はみなさんに喜んでいただくことが発行の意義であり、元気と夢を感じてもらいたいのだ。眉間にしわを寄せて、この曲の歌い出しの意味するところはなんてやるのは違う。でも、僕自身はそんなのが好きだから封印するのが大変だった。
ノーランズを表紙にしたのも、そんな自分の決意表明だった。名曲『ダンシング・シスター』が流行った頃、高校生の僕はロックなヤツを気取っていたから、この曲が好きなくせにクールにしていた。そもそもアバも大好きだったし、中坊の時にハマったクイーンだってスウィートな曲は多くある。なのに、バンド活動を本格化させた高校時代は突っ張っていたのだから今考えるとカッコ悪いが、当時はそうするしかなかったのさ。
この1年の表紙を振り返ると、じつにとんでもないことになっている。そのスタートとなったのがノーランズで、大きな話題を振りまいた手応えはあった。次々と舞い込む賛辞というか混乱というか、それを感じるのがすごくうれしかった。今目の前にある次号の表紙も、なかなか面白いものができた。同世代男性諸氏は、きっと催眠術をかけられたようにレジに運ぶだろう。そう、今回は立ち読みする前につい買ってしまう恐ろしい表紙だ。ウルトラの母に次にこれがくるのかと、きっとみなさん唸ってくれるはずで、その日まであとわずか。くーっ、またまた騒ぎが楽しみだなあ。