ブルース・スプリングスティーンの新譜。

と、タイトルしているくせにまだ聴けていない。実はCDプレイヤーがぶっ壊れちまったのだ。情けないことに買いに行く時間がなくて、新譜は手に入れたものの宝の持ち腐れたあこのこった。まっ、7月11日発売号を印刷所に入れたらCDプレイヤーを買いに行って、ニュープレイヤーの最初にこいつを聴くのが楽しみってもんだ(負け惜しみ)。

 

彼の歌を初めて聴いたのはアルバム『ザ・リバー』からシングルカットした『ハングリー・ハート』で、中学3年生の頃の『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』で聴いた。ブルースにしてはどちらかといえばポップな曲で、このイメージが染み付いてしまった当時の僕だ。この頃はハードロックとクイーンが世界最高の音楽だと信じていたから、名前のかっこよさとともに甘い歌を歌う人との印象で記憶の奥の方に仕舞ったままにした。

 

時は流れて高校時代。僕はあれほど愛していたハードロックとクイーンから少しずつ心が遠ざかった。そこを埋めたのは、ロッド・スチュワートやストーンズ、J・ガイルズ・バンドにRCといったストレートなロックサウンドだ。その中へと放り込んでくれたのが、当時のバンドメンバーで今も深く感謝している。ボブ・ディランの世界を教えてくれたのも彼で、僕の人生に極めて重要な影響をもたらした男だ。「すげーんだよ」と、次から次へとレコードやテープを持ってきてくれた。その中でもブルース・スプリングスティーンの傑作『ボーン・トゥ・ラン』はすさまじいほどに惚れた。あの甘い人という中坊の頃の印象はすっとび、僕のベスト10枚に加わったアルバムとなり、今もその圏内にある。

 

吠える。とにかく吠える。後にヒットした『ボーン・イン・ザ・USA』や『ウィ・アー・ザ・ワールド』なんかで彼の世界を知った同世代は多かろう。そりゃそうだ、この世紀の名盤は昭和50年だもの。捨て曲ゼロの傑作ナンバーばかりが並んだアルバムは、AB面時代ならではの曲順が素晴らしく、音楽で贅沢をしたい日はアナログ盤で聴くことにしている。ちなみに今回の新譜はアナログもリリースされているので、ファンは迷うことだろう。

 

ともかく、このアルバムのレビューは締め切り後にお届けしよう。楽しみにしながら仕事がはかどるってもんだ。

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