【懐かしの名盤】クイーン (1/5)

さあさあ、お立ち会い。ブログ特別不定期連載記事「懐かしの名盤ジャンジャカジャーン」2枚目だぞー。この連載は音楽と密接に生きてきた昭和40年男にとっての名盤を、の独断でセレクトしていこうというものだからかなり偏っている。

ここまで、4回に渡って綴ってきたのはストーンズの『レット・イット・ブリード』だった。記念すべき1枚目をストーンズから選んだのは、僕にとって強い憧れの存在であったからだが、続けて2枚目で登場させるのは僕が最初に夢中になったバンドであり、昭和40年男にとってもリアルタイムで存在したであろう馴染み深いバンド、クイーンだ。

実は、後に恥ずかしいと思ってしまうほど、急激に冷めてしまったバンドでもある。というのも、クイーンでのめり込んだ洋楽の世界だったが、やがてレッド・ツェッペリンやエアロスミスへと進んでゆき、ストーンズやザ・バンドなる禁断の果実に触れた。やがて彼らのルーツとなった音楽をたどるようになって、ブルースに行きついてしまった。ところが、これは自分の音楽観を堕落させた。新しいものを嫌い、華美なものを避け、甘いものを拒絶するという、なんとも偏った嗜好へと突き進んでしまったからだ。まったく聴かないというわけでないにしろ、大好きだった『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』への興味も失い、お茶の水のディスクユニオンでブルースの名盤をあさった。クイーンなんざ最悪の音楽だと決めつけ、やがてエアロやツェッペリンまで否定するという、うーむ、若さとは誤解と曲解で成り立っているのじゃのう。ブルースの名盤もやがて語らせていただくことにするが、ともかく今回の主役はクイーンである。キャッ、恥ずかしい。

中学1年生の冬に洋楽ワールドへ急速に入っていった僕は、くどいようだが『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』という素晴らしい情報源を得た。次々とランキングや最新情報を語るシリア・ポールさんは、神のような存在だった。そして忘れもしない、暮れの放送で年間ランキングという夢のような企画を提供してくれたのだ。洋楽ワールドを一網打尽にできるじゃないかと、そりゃー興奮してエアチェックした。以前にも書いたことがあるがここでのランキングがメチャクチャで、1位がクイーンの「イッツ・レイト」だった。ちなみに2位がビリー・ジョエルの「ストレンジャー」で、3位がビージーズの「恋のナイトフィーバー」だったはずだ。そう、通は必ず “恋の” を付けなくてはならないのだ。そして5位にクイーンからもう1曲「伝説のチャンピオン」が入っていて、その名が強烈に刻まれたのであった。

さらに12月20日発売の初めて買った音楽雑誌『ミュージック・ライフ』には、読者投票形式の人気ランキングの中間発表が掲載されていて、クイーンはバンド部門で1位で、各プレイヤー部門でもジョン・ディーコン以外の3人が1位という、驚異的な成績が記されていた。これを鵜呑みにしてしまうのはランキング大好き世代の悲しい性であり、まだ洋楽の世界に入ったばかりの何も知らない少年だからである。「クイーンてすげえ」と感嘆の声を上げながら、エアチェックした2曲に耳を傾けた。もちろんこのチャートに入った他の曲もさすがに年間ベストテンであり、名曲ぞろいで、まずは順調な洋楽入門を果たしたのである。って、またまた長くなるぞー。
 
つづく → (2/5)
 
前回 →【懐かしの名盤】ローリング・ストーンズ 『レット・イット・ブリード』(4/4)
 

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