セーラー万年筆は、3万円を切る個人向け線量計『PDM-122 マイ・ドーズ・ミニ』を本日8月8日より発売する。
震災後の需要により全国的に品薄が続く個人向け外部被ばく線量計。また、扱いには知識が必要で、価格もかなり高価、さらに海外製品が多く、品質や信頼性の面で不安を感じてしまって欲しくてもなかなか手が出ないという人も多いだろう。こうしたニーズに応える製品の開発が各社で進んでいるようで、JAXAが開発に協力したとされる2万円前後の製品が今月末に発売されると報道される一方、10月にはエステー化学から1万5,750円の製品が発売される予定で、各社の活発な動きがみられる。今回紹介する製品もその一貫といえそうだ。
本製品は、医療機器専門メーカーである日立アロカメディカル社が製造した小型線量計。元々は医師や放射線技師、看護師向けに販売されていた製品だが、震災後の個人向け線量計の需要に対応する形で、セーラー万年筆が一般ユーザー向けに販売する。同社によれば、病院内で医師や放射線技師が20年間にわたって使われてきた実績があり、品質には定評があるとしている。39gと小型軽量ながら、人体に有害なガンマ線を正確に計測し、時間当たり線量と積算線量を表示できる。性能はプロ仕様ながら、初心者でも使えるシンプルな設計としているのが特徴。
一方、同社ではユーザー向け情報サービスとして、放射線の知識や線量計の使い方、またユーザーと一体となったネット上での線量計マップなどを構築する計画だとしている。さらに、線量計には年1回の校正が必要となるため、安価で長期間校正サービスが受けられる特約サービスの提供も計画されている。
放射線には、アルファ線やベータ線、ガンマ線など様々な種類がある。本製品は、ガンマ線の外部被ばく量を測ることに特化した商品。アルファ線やベータ線は自然界にも存在し、衣服や皮膚を透過しないため比較的安全とのことだが、ガンマ線は透過性が強く、人体に有害であるという。使用時は、本体を胸の近くに付けて使用する。希望小売価格は2万9,900円。