連載特集の『夢、あふれていた俺たちの時代』は創刊2号からずっと続けてきた特集で、昭和46年から63年の間を行ったり来たりしている。次号で3回り目を終えることになり、現在編集部では4回り目に向けて議論を展開しているところだ。そして今回は改元に合わせて、平成元年を初めて取り上げてみた。そのトリを飾ったのが、平成への改元となった1月8日からこの1年を掘り下げている6ページだ。
先日の改元騒ぎは楽しかった。が、平成のあの日は今回とは真逆の真っ暗闇だった。前年から続いた自粛の日本に、1月7日ついにご崩御が知らされた。僕の記憶に強いのが、この頃働いていた居酒屋でのこと。まず営業はしないだろうと思ってはいたが、念のため出勤したら営業すると言う。上野の飲屋街の仲町通りはほとんどが営業しておらず、なんだか恥ずかしい気持ちになった。さすがに赤提灯の点灯だけは見送ったが、営業を開始するとなんと忙しいではないか。どこもやっていなくて流れてきたのだろうが、なんともやるせない気持ちで過ごしたのだった。
と、そんな平成に比べてお祭りムードを存分に楽しんだことだろう。不摂生な僕だから、次の改元はまず目撃することはないだろうから今回は目一杯楽しみたかったが、残念ながら仕事の大波に飲み込まれていたのだった、やれやれ。
『夢、あふれていた俺たちの時代』はボリュームのある企画だから、置く位置をいつも工夫している。今回は写真でご覧のページを企画内のトリにしただけでなく、本自体の大トリにしたのだ。僕の改元挨拶で幕を開けてこの企画で幕を下ろすという仕掛けで、令和一発目となるメモリアル発行を飾ったのだ。と、そんなこと誰もお気づきでないだろうな (笑)。