体力気力の衰えをまったく感じないという同世代の男はほぼいないだろう。若い頃の泉のように湧いてくる元気や疲れを知らない自分に比べて現在の自分は…、とはできるだけ考えないようにしている。確かに、加齢によってダイエットが難しくなったことは愚痴ることが多いが、昔に比べてあーだこーだと言えば言っただけ余計に劣化が加速することを知っている。言わない者たちの元気ももちろん知っているから、どうせだったら「ぜーんぜんOK」とすべてを笑い飛ばしながら後者で過ごしたい昨今である。
その自分を奮い立たせる連載企画が『荒海に生きるタメ年男』である。以前は『タメ年のスゴイやつ』というタイトルで、実はこの企画の歴史は長くて創刊号に当時の西武ライオンズ監督、渡辺久信さんに出ていただいて以来の長寿企画なのだ。タイトルを変更したのは、スゴくなくても頑張って前に進んでいる方だったらとその対象を広げたのである。若干の語弊があるかもしれないが、スゴイやつとしてしまうと芸能人だったりそれこそ渡辺監督のような著名人の登場が前提になってしまいがちだが、荒海〜に変えたことで、純粋に加齢に立ち向かって奮闘する男に対象範囲を広げることができると考えたのだ。
『ガツンと一言。兄貴の説教』と並び僕の大好きな連載だ。そこに今回登場いただいた男が清水直樹氏で、その名前だけでピンとくる方は少ないかもしれないが『サマーソニック』を仕掛けた男となると興味をそそられるのではなかろうか。『フジロック』と並んで日本どころか世界を代表するフェスである。それを立ち上げたタメ年男のそこに至る人生とこれからを語ってもらった。
歴史に残る大仕事をすることはなかなか手の届くことじゃないが、今を変えることは踏ん張ればきっと誰だってできる。それをするかしないかが、明日の自分を変えていくことになる。そんな努力を続けるタメ年の奮闘はきっとそのエネルギーになるはずだと、この企画を大切にしている。そして僕自身もいつもこのページに力をもらって前へと行くことと、「ぜーんぜんOK」と言いながら生涯現役を誓うのだ。ダイエットに関しちゃ難しいけどねー(笑)。