デジタル革命に翻弄された時代 〜大編集後記。

さあ、しつこく行くぜ〜。最新号 (vol.54) を少しでも手に取ってもらいたいという思いを込めて、大編集後記だ。

 

『デジタル大革命』とタイトルして、’70年代から ’80年に突入した時のザワザワキラキラした感じを出そうとの合言葉で突っ走った我が編集部だ。モノも凄まじい革命期だったが、音楽においてもデジタル技術の最先端楽器であるシンセサイザーがまさに革命を作り上げた。その渦中にあったミュージシャン達ってのは、その世界へと足を踏み込むか否かの選択が強いられ、デジタルへと突き進んだ者達は最先端を勝ち得るために、努力と苦労を重ねたのである。そんな一人、ムーンライダーズでジャパンミュージックを牽引した鈴木慶一氏のインタビューがいいぞ。

 

ムーンライダーズに夢中になっていなくても、テクノポップが記憶になくても、時代のぐちゃぐちゃした感じが伝わるはずだ。読んでわからない方がいる記事は大嫌いだと僕は常々スタッフに言っている。わかって飲み込んでいただいてこそ表現だと。このページはそれがカタチになっている。

 

今じゃ当たり前の存在で、出始めの頃に比べたら格段なんて言葉じゃ納まりきらないほどの進化を遂げたシンセサイザーだが、当時はキワモノと考える者が多かったそうだ。そんな時代を正面から受け止めて邁進した鈴木氏の言葉の数々が重たい。名台詞のひとつが「我々はシンセを受け入れたことで多くの友達を失うことになる」だ。いやあ、シンセ、そんなに嫌われ者なんだ (笑) 。これ以外にも、巻頭で作っている名言「FEATURE WORDS」に入れたい名台詞ばかりが踊っている。くどいようだが、当時音楽にまったく関心がなかった方でもぜひ読み込んでほしい。デジタル革命の中を邁進した姿に、きっと力が湧いてくるはずだ。さあ、今すぐ書店へダッシュ!!
 

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