昨日は、秋田県の田沢湖にて表題のバイクイベントを開催した。僕にとっては毎度お馴染みのイベントで、司会進行を担当してとにかく盛り上げるのが任務だ。が、開催地は東北である。適切な言葉が見つからないが、いろんなレベルでみんな被災した。究極の哀しみを背負ってしまった方に比べたら、軽い軽いものであるかもしれない方も含めて、それぞれ本人にとっては大きな哀しみだ。前日に秋田県大曲で入った飲食店できいた話によると、震度5強の揺れでライフラインが滞ってしまい何日か営業できず、来年4月一杯までのほとんどの予約がキャンセルになり、開店以来の危機を味わったそうだ。これも被災なのだ。
隔月発行決定を知らせる号の発売日が震災の日だった。このブログ上でも不謹慎といえるような言葉で自分を奮い立たせ、被災地には土足で入り込んで記事をつくり、また『チャリティモーターサイクルショー』なるバイクイベントを開催した。被災地に再び出かけ、最新号で掲載したとおり2ヶ月の時間による経過も記事にした。あの日を境に震災復興を大きな課題として、自らを奮い立たせるように動いてきたつもりだ。今後もその想いを長く持ち続けていくことを自分に課して、叫んでいきたいと思っている。だからこそだ、昨日のイベントでは自分の立ち位置について頭をグルグルと巡らせた。前日から大いに悩み、性能の良くない頭の中はもう張り裂けそうだった。イベントであるから盛り上げたい。だが軽はずみな言葉を吐きたくない。気持ちのこもっていない言葉を吐きたくない。いろんなことを考えながら朝の会場に着いた。
次々とやってくるライダーは皆笑顔だ。そりゃあそうだ、元気だからイベントに来るのであり、前に向いて走る力があるからバイクに乗るのである。だが話を聞くとすべて流されたという方もいた。その度になにも言葉が出なくなってしまうのは情けないが、一緒に笑い飛ばす気にはなれない。逆にどんな言葉を出したところで軽くなるから出せない。そんなやり取りを繰り返してやがて集いは終盤となり、ステージイベントになった。いつもどおりにやろうと自分に激を飛ばしてぶっ飛ばした。ここでのステージイベントはカンタンなもので、まず最も若いライダーと逆に最高齢のライダー、誕生日のライダーにプレゼントを手渡す。さらに、協賛品めぐってジャンケン大会を催し、ステージ上で手渡す。そうやってステージに上がったライダーたちと少々の会話を交わしながら、どこかにオチをつけていく。名前と乗って来たマシン、そして「どちらから?」という質問が定番だが、その回答に自分が見た地域が出るとどうしても言葉が出なくなってしまう。元気なみなさんに申し訳ない、ダメダメな司会ぶりだった。
それらすべてを終えて最後にみなさんに言葉を述べた。いつもどおりぶっ飛ばそうと力んで、きっと失礼な発言がたくさんあっただろうことを詫びて、それでもあたたかく見守ってくれたみなさんに感謝の気持ちを述べ、心を込めてありがとうございましたと頭を下げた。すると大きな拍手をもらってしまい、もうホントに恐縮しきりな僕だった。プロ完全失格となった長い1日は、心に残るみなさんからの気持ちと前へと進む元気、そして感じたことのない疲れを残して幕を閉じた。
初参加でした!カワサキ乗りがこんなにいるんだぁと感激。
ステキなイベントをありがとう。
女性ライダーがもっと増えるといいな^-^