『昭和40年男』の臨時増刊の発行を続けていて、つい先日こいつが完成した。今回はご覧の通り野球で勝負だ。
表紙に使った写真がバッチリ俺たち世代じゃないか。昭和40年男にとって巨人V9時代より、それ以降の方が感情移入できる。巨人がV10を逃して「我が巨人軍は永久に不滅です」との名台詞を残し、監督に就任したらまさかまさかの最下位だったのが強く記憶されている。
あの年の後半戦、後楽園に広島戦を見に行った。広島快進撃の真っ只中で、巨人は最下位に沈んでいた時期だ。そんな巨人サイドのスタンドに心ないカープファンが鯉のぼりを振りながら入ってきた。当然ながら怒りの巨人ファンともみ合いになり、子供心に野球を愛する男たちの恐ろしさを知ったのだ。
時は流れて息子と阪神タイガースの応援に行った東京ドームの帰りのこと。水道橋駅でタイガースのマスコットバットを持った僕ら親子に巨人ファンが絡んできた。ここで引いたら男が廃るぜとにらみ合いを演じていると周囲の巨人ファンに囲まれて一触即発状態のところに駅員さんが割って入ってくれた。あそこで乱闘になったら僕ら親子はどうなっていただろう。やはり野球を愛する男たちは恐ろしい。
てな想い出はさておき、今回の表紙は惚れ惚れするな。選手を鼓舞するためだったのだろう、3塁コーチャーズボックスで腕を振る監督のこの姿こそミスターである。今回の総集編はこの表紙だけでも価値がある…、と思っているが『昭和40年男』のヘビーユーザーは手を出してはならない。毎度のことながら、過去の記事を再編集した本だから立ち読み程度でお付き合いいただければ十分だ。書き下ろしの記事になった巻頭8ページの実況アナ、松下賢次さんのインタビューが見ものだ。彼の貴重な写真をお借りして、まさに俺たち世代が熱くなった昭和野球への深い愛で綴っている。ぜひっ!!