NHKスペシャルで2017年9月から2018年3月までの間に8回にわたって放送された、「シリーズ人体 神秘の巨大ネットワーク」という番組をご覧になったことがありますか? 今年の年明けに再放送されていて、初回放送時に見逃していた回が放送されていたので、夜中にも関わらず(しかも風邪っぴきで)見入ってしまいました。
番組のタイトルのように、人間の身体は「巨大なネットワーク」というのはなんとなくそうなんだろうなと思っていても、何が何にどう結びついてどういう影響(よい影響も悪い影響も)を及ぼしているのかというのは、具体的に実感することはあまりないというのが正直なところ。身体そのものを構成している「脂肪」や「筋肉」、「骨」などが、実はメッセージを持った物質を発生させていて、それが血液を通って脳に運ばれ、脳に指令を出しているという、「ネットワーク」についての第2集 驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守ると第3集 “骨”が出す! 最高の若返り物質は目からウロコというか、本当に驚かされました。そして、健康のためになぜ「運動」が必要なのかということも理解することができました。
「脂肪」と言えば、その言葉からまず連想されるのは「メタボ」。中高年の方のほとんどが気にしているであろう体脂肪率なんてものを思い起こさせます。そして、あまりいいイメージはないと思いますが、実はこの脂肪が「お腹いっぱいになったよ」「もう食べなくていいよ」という指令ともいうべきメッセージ物質を発しているのだそうです。これは、脂肪萎縮症という脂肪をつくれない難病を患っている患者が、食べても食べても空腹感が満たされず、絶えず食べ物を摂取したがるという症状がきっかけで解明されたのだそうです。ならば、満腹メッセージを出してくれるはずの脂肪をたくさん持っている人が、つい食べ過ぎてしまうのはなぜ?と矛盾、疑問が浮かびますよね? 実は標準以上に体脂肪が多い人(いわゆるメタボ)は、よく耳ににする「血液がどろどろ」の場合があって、脳に運ばれた、満腹になったよというメッセージ物質が血液がどろどろのため、脳内で放出できないという状態になっているのだそうです。太っているひとが、食べる量をひかえようとしても食べ過ぎてしまう原因はそういう「ネットワーク」がうまく機能しなくなっているからなのでした! う~ん、なんとも納得ですね。心当たりのある人は、脂肪が多すぎると体内のネットワークに支障をきたしているかもしれないと考え、満腹になったと脳が感じることができるようになることを意識してみてはいかがでしょうか?
そして、「筋肉」はなんと「記憶力」を増強させる働きと大きく関わっているのだそうです。端的に言うと、老化して記憶力が衰えるのは、筋肉が衰えているからなんです! ある程度の年齢になったら、意識して筋力をつけるようににないと、衰える一方、そして同時に記憶力も低下していくという、恐ろしいメカニズムなのだそうです。実際、認知症などの患者さんでも、生活のなかに運動を積極的に取り入れることで進行を遅らせたり、軽度の場合は改善さえ見られるという話しも聞きますので、この「記憶力」という点だけみても、「運動」がなぜ大切なのかを理解することができると思います。また、筋肉は免疫力をアップさせてくれるというところでも、体内ネットワークのなかで重要な役割を担っているので、運動をして筋肉をつけることは、やはり重要なことなのです。
このことだけでも、余計な脂肪を減らして血流をよくし、筋力をつけることが、身体のネットワークにとってよい影響を与えるということが、なんとなくイメージできるのではないでしょうか?
そして「骨」に至っては、骨が運動によって衝撃を受けることで、自らが「骨を作りだせ」というメッセージ物質を発しているのだそうで、これもやはり骨粗しょう症などが運動不足などによって引き起こされる場合があることが裏付けていると言えるでしょう。骨は筋肉同様「記憶力」「免疫力」そして「筋力」をも司っているそうです。骨が弱ると単に骨折しやすくなるから気をつけようとかというだけの問題ではなかったのです! 単なる「カルシウム」でできた身体の骨組ではなないということです。足に衝撃を感じることといえば、イコール軽いランニングなどですよね。骨密度が低い人(体組成計などである程度わかります)は、要注意! 運動不足が続くと骨がすかすかになって、骨折どころか、身体全体の老化に拍車をかけてしまう恐れがあることを気に留めておきましょう。
本当にざっくりですが、「脂肪」「筋肉」「骨」という身体を作っている組織が、実は脳に向けてメッセージ物質を送るという驚くべき働きをしているということで、運動の大切さを理解することができる番組でした。ご覧になったことがないという方はオンデマンドで視聴することもできるようですので、ぜひご覧になってみてはいかがでしょうか。運動することの大切さとその理由がとてもよくわかります。とにかく「人体は巨大なネットワーク」であるということを意識することで、健康法への取り組む姿勢が変わるかもしれません!