平成最後の年の瀬。

昭和の終焉は今回の平成のように予定できるものでなかった。俺たちは2度目の元号チェンジの瞬間を、歴史上でも珍しいカタチで迎えられるのだ。そしてこの貴重な瞬間だからやはりいちいち意識してしまう。今日意識したのは平成最後の師走のそば屋だ(笑)。30日まで仕事に振り回される。大晦日は家でそばを茹でるからまず行くことはない。もしかしたら社内で締め切り作業をしている今日が、そば屋に行く最後のチャンスかもしれないと考えたらすでに立ち上がっていた。

 

すげー迷った。というのも、会社の近くでちょくちょく利用するそば屋が2軒あるのだ。両方とも店名は更科で、ひとつがいわゆる街そば屋で更科とだけ名乗る。ここは何と言ってもカレーセットが魅力で、シャッキリしたそばとこれぞそば屋だーっという味わいのミニカレーが最高のコンビネーションである。ボリュームもあってダイエット中の僕にはここの存在はちょっぴり厄介だ。そしてもうひとつが江戸時代から続く老舗の布屋更科で、こちらの方がちょっと高級感があり値段も若干高い。とはいえ、麻布でしのぎを削っている老舗の更科たちよりはずーっとリーズナブルでこちらも天丼セットが魅力的だ。僕にとって平成の外食の5割以上を占めるのが間違いなくそば屋で、浜松町に引っ越してからの10年以上はこの2店が占める外食率が5割どころでない。

 

さて、平成最後の師走のそばとなる。そう考えると油の浮いていない温かいそばにしようと心が動いた。かけかなと思ったが、年の瀬にそれはちょっと悲壮感が漂う。ならばと足が向いたのが江戸から続く布屋更科で、ここには山菜そばがある。冬に山菜ってのはおかしな話だが、なーに水煮なんだから通年変わらない。うまい。シンプルなうまさにすっかり満足して、平成最後の年の瀬そばとなった。

 

が、ここでもうひとつの欲が出た。あのカレーを食わずして平成最後の師走を締めくくっていいのだろうか。そばっ食いとして、締めがもりでないのもちょっと気になるところだ。よーし、明日時間が作れたらもう1軒のカレーもりセットだ。と、平成最後の〇〇にこれからも色々と誘惑される予感がするクリスマスである。メリークリスマス!!

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