四季の移ろいがここ近年極端になっている。冬が少しずつ春へと向かい桜が咲き、少しずつ暖かくなり爽やかで過ごしやすい初夏になる…、というガキの頃の移り変わりでなく、初夏をすっ飛ばして真夏がやってくる感覚だ。残暑が厳しく続き、やっと過ごしやすくなったと思ったら冬が来ていた。暑さ寒さも彼岸までという言葉が当てはまらず、夏と冬の間のグラデーション期間が極めて短くなった気がする。
今年も厳しい残暑が続くだろうと思っていたら今年の東京は秋が早い。今日の東京は寒いくらいで、そうなると食いたくなるのが温かいたぬきそばだ。安上がりな僕は天ぷらそばよりタヌキを愛する。
話は変わる。今年に入っての忙しさは尋常ではなく、本当は良くないのだが昼飯抜きの日が多い。食う時間そのものを仕事に割り当てられるだけでなく、食後のたるみがなくなる。昼食後はどうしても集中力が落ちてしまう僕で、食わないことで午前中の頑張りを持続できるのだ。が、本当は良くないとしたが、これを続けると血糖値が上がってしまう。以前、ダイエット目的でこれを断行した時に跳ね上がってしまった。年明けに予定されている健康診断が怖いが、仕事のためならえんやこらである。
そんな日々を過ごしている僕だが、今日の寒さは馴染みのそば屋へと僕を誘った。「あら、ここのところこなかったじゃない」「すみません、なんだか忙しくって」「それはいいことね。今日は何にする」「たぬきお願いします」「今日は寒いもんね」というおばちゃんとのやり取りを経て、やがて写真のご馳走が運ばれてきた。うまさが染み渡り、少々大げさながら冬の感覚を連れてきた。四季よ、いづこ〜と冒頭へとつながるのである。空が高く爽やかな風が包み込んでくれる、本来の10月の日々を連れてきてくれることを切に願う。9月ももうあとわずかだ。