発売がいよいよ明日に迫った。『熱愛』をテーマにして5つのパートを作っていて、先日まで解説させていただいたのがパート1の“震えた作品”だ。続いてパート2では俺たち世代にさまざまな愛を教えてくれた“人”を独自の視点でピックアップしてお届けする。ちょっと意外な人選だと思われるかもしれないが、その方々が世に放った作品群に込められた愛の意味や、俺たち世代への影響を考慮して激論の編集会議を経て4人が決定した。そのトップバッターが大島渚さんである。
性表現をめぐって世間を騒がせた『愛のコリーダ』の強烈な写真から誌面は展開する。小学生だった俺たちは見ることができなかったが、その後の裁判も含めて記憶には強烈に残っているはずだ。作品の背景にある阿部定事件にある、究極で極限と言える愛を描く大島 渚さんは昭和に大きな波紋を広げた。作品とはなんぞやと世に問いかけた姿に、俺たちはおおいに考えさせられた。
そして俺たち世代になじみ深い作品が『戦場のメリークリスマス』だった。高三のセブンティーンだった僕は同級生と軽い気持ちで出かけたが、終了後はしばらく2人に会話がなかったのをはっきりと覚えている。映画館を出ても遊びに行く気になれず、そのまま解散した僕らだった。
と、想定外の愛を見せてくれた氏に今更ながら感謝の気持ちは大きい。誌面には強い言葉が並び、読み応えがあると手前味噌ながら満足している。パート1との切り替わりも大胆で気に入ってたりする。明日、ぜひ手に取ってちょうだいな!!