『浅草秘密基地』に、教職に就く方がくることがある。昨今の教育現場の苦しさを聞くとかつて憧れた職業とは思えない。その苦しさの大きなひとつが親だと言う。いつからモンスターばかりになったのだろう。僕らの時代は教師が強かった。鉄拳がちょくちょく飛んでくるものの、そんなこと親に言ったら大変なことになる。「なんてことをしたんだ」と、またまた鉄拳が飛んでくる。といった時代ははるか彼方なのだ。
そんな俺たちの時代を象徴するように、教師のドラマも熱かった。そして愛にあふれていた。そんな先生方から、編集会議ではひとりの先生に絞ることができず3大先生の比較記事にすることにした。金八、広大、ソーリである。
金八先生の魅力はリアリティのある生徒たちの問題に対して、情熱に任せて体当たりで解決していく姿である。15歳の妊娠やくさったみかんなど、想定外の問題に全力で向かっていきながら生徒に寄り添う金八は理想の男だった。武田鉄矢さん自身からも愛があふれていて、母との愛を語った名曲を俺たちは金八以前より受け取っていた。
この見開きに続いて、北野先生とソーリの登場となる。うーむ、こうして並べると随分と異なる3先生だ。小中高校という、それぞれの舞台における理想の教師像と言えるな。小学生なら、北野先生のようにどこまでもやさしい愛がいい。高校ならソーリのようないい加減なところがありながら、兄貴的な愛がいいい。
そしてどれもテーマ曲がいいですな。ソーリのエンディングで流れていた♪生まれてこなければで始まる『海を抱きしめて』は、あの頃の揺れる心に深く染み入った曲だった。ソーリのエンディングにふさわしく、画面に展開される手書き文字のポエムと相まって一作見るたびに成長させてもらえた気がしたものだ。
こんな3先生の愛を俺たちは心にしっかりと刻んだ。幸せ者だなあ。