創刊から50冊目となった記念号が発売されたのがちょうど1ヶ月前の今日で、この特集をパッケージしてタイトルもそのまんまのCD『昭和洋楽』が情報解禁となった。ソニーさんからは一足先に昨日リリースされている。なんとなくね、仏滅って嫌だなと『昭和40年男』では今日を解禁にした。うーむ、おっさん丸出しだなあ。
特集を作るにあたって、昭和洋楽というタイトルが浮かんだ瞬間的に、コンピを出したいと思った。特集の誌面でも触れている通りで、世の中がゴールデンウィークとやらに浮かれている中(今日は夏休みとかわけのわからんことを言ってるヤツがいるなあ)、ソニーの担当者を訪ねるとOKとなり作業が進んでいったのだ。選曲、そして曲順にも口出しさせていただき堂々完成した。情報解禁前日に試聴盤をいただき、今はその仕上がりにホッとしているところだ。
こだわったのは1枚のCDの中に4つのゾーンを作ったこと。スタートから5曲目までは、ど真ん中ストレートに昭和の匂いがプンプンする“昭和の王道ゾーン”。これに続いて6曲めからは、俺たちはまだ踊りに行ける歳でなかったが、やたらとシーンを賑わせた“昭和のディスコゾーン”だ。そしてこの後が、今回もっともこだわったコンピにしては変態な選曲を施した“百花繚乱ゾーン”である。スーパートランプにM、ガールまで入れちまった。最後は「これでもかっ」と名曲を並べたハイライト“昭和洋楽怒涛ゾーン”で、ここまでの19曲に加えてラストにはボーナストラックというか、おまけというかライブテイクを1曲入れて締めた。おーっ、パチパチ。
そんな選曲や構成だけにとどまらず、ライナーノーツなどの文字まわりも担当させてもらえた。3,500文字の本文と400文字の曲解説を20曲分で、全部で約12,000文字を書いた。ライナーノーツの3,500文字はまったく苦にならずむしろもっと書きたかったが、曲解説の400文字は随分と苦労させられた。微妙に長くて少ないのだ。200くらいだったら勢いでいけて、600を超えれば突っ込んだものが書ける。400文字だとネタをキチンと入込みながら簡潔にまとめなければならず随分と時間を使うことになり、鈴鹿サーキットのプレスルームで書いていたのはここだけの内緒だよ(笑)。ほぼ同時期に依頼を受けた、明後日まで日本橋三越本店で開催されている『1980年代展』の展示物の解説も、450文字が11個でやはり苦労させられた。長いことこの仕事をやってきたが、極々短期間で400文字を31個書き上げるなんてのは初めてのことだ。まあ、いい経験になったな。
これだから素人はと笑われるかもしれないが、コンピには入れられないミュージシャンが多数いるという縛りを知らなかった。「うそだろー」と叫びながら選曲を繰り返し、出来上がった1枚はズッシリとボリュームのある作品になった。発売は9月5日。勝負じゃ!!