いきなり話はそれる。俺たちは仮面ライダー世代だ。先日、タメ年のライターさんと打ち合わせをしていた時に、俺たちにとってリアルタイムのヒーロー、仮面ライダーはどこまで夢中になりどこで離れたか話題になった。ここら辺はこれまでもいろんな方と話し合ってきて、とにもかくにも人それぞれでおもしろい。僕は離れたのが早い方でよく叱られるのだが(笑)、そのライターさんとはぴったりとシンクロした。この日の2人にとってライダーはV3で終了だった。そのV3でさえ、すでに心が少しずつ離れ始めたと合致した。ウルトラマンにも話が及び『帰ってきたウルトラマン』で終了。エースは見てはいたけど夢中になれず、タロウはほぼさらばという2人で、ここまでピタリとシンクロすることは珍しい。
とまあ、長い前置きになったが、今日はライダーやウルトラマンの話じゃない。浜松町駅が誇るいやしキャラクター、しょんべん小僧の変身の話である。
暑い、連日情報バラエティでは危険だと伝えているほど、いうまでもなく今年は暑い。そんな暑さにほんのわずかながら涼しさを連れて来てくれるのが、駅でしょんべんをぶちまける小僧である。そして梅雨から夏へと移り変わるこの変身のかわいさったらどうだ。
毎月衣装を作っているのが、港区のボランティアセンターに登録している『あじさい』という手芸グループで、もともとは地元の芝消防署から火災予防運動のPRの一貫として衣装づくりを依頼されたそうだ。現在も毎年3月と11月は消防士の衣装を着ている。加えて7月は、法務省が主導する“社会を明るくする運動”の一貫として、そのシンボルとなるひまわりがベースになる。30年以上、毎月欠かさず着せ替えは行われているとのことだ。
すばらしい活動だ。欠かさずというところに頭がさがる。そしていつもかわいいから、僕を含めてカメラに収めている姿をよく見かける。超スピード社会に、こうした文化活動が与えるあたたかさってのは大切さを増していく。さりげなく込められた愛のある変身に、これからも期待しつつ楽しませてもらおう。ぜひ、お立ち寄りいただき一服の涼を楽しんでみてほしい。