昨日やっとこさ発売にこぎつけた最新号 (vol.50) は手にとっていただけただろうか。いい動きをしているようで、ひとまずホッとしているところだが、まだまだ書店・コンビニには山積み状態が続く。しつこく最新号のPRといかせていただく。
今回の巻頭特集は『昭和洋楽』をテーマに、4つの要素に分けて展開した。それぞれは、“時間旅行”・“心に残る”・“大研究”・“事件簿” とした。これまでにこのブログで、“時間旅行” と “心に残る” から解説させていただいた。今日は “大研究” からご紹介しよう。このセクションでは今回小誌が定義する「昭和洋楽」にまつわる様々な現象にフォーカスしている。その中で、功労者と言えばよろしいだろうか。登場してくださった二人の大人によって、シーンが形作られたのだ。
僕の洋楽歴は昭和53年に始まった。『ダイヤトーン・ポップス・ベストテン』に聴き入るようになり、その他のラジオ番組によって徐々に知識をつけていった。そんな頃、情報を求めて書店に入ってみたところ、それまで見たことのなかったミュージシャンたちの写真が掲載された雑誌がいくつもあり、狂喜乱舞した。興奮のまま、一冊の重厚な雑誌をレジへと運んだ。その後の人生を変えたと言っても過言ではない『ミュージック・ライフ』だ。この後何年かに渡って発売日まで首が長くなる僕だった。その当時の編集長が東郷かおる子さんだ。今回のインタビューでわかったのは、ちょうど僕にとっての洋楽元年となる昭和53年に就任なさったのとのこと。これは運命を感じる (笑) 。
もう一人、大貫憲章さんも大きすぎる存在だ。アルバムを買った時の楽しみの一つが、ライナーノーツを読み込むことだった。そのミュージシャンについて斬り込む感じの文章を自分の中に取り込んでいき、音を聴きながら持論を作り込んでいく。そんなライナーノーツの中でも、大貫さんのペンによるものが群を抜いて好きだった。人生で2枚目となったアルバム、クイーンの『オペラ座の夜』の文章に惚れ込んで何度も何度も読み返した。初めて買った『ミュージック・ライフ』も表紙がクイーンで特集記事もあった。クイーンによってお二人と出会ったことになるのだ。
そんな僕にとって人生の師匠のような方が、当時を語っているのは涙がチョチョ切れる感激である。「昭和洋楽」をペンによって確立させていった熱い言葉は必見だ。ぜひ、手に取っていただきたい。