唯一無二の「タメ年・宇宙飛行士!」野口聡一

野口聡一は昭和40年4月15日生まれで神奈川県出身、タメ年の宇宙飛行士だ。初飛行は、あのコロンビア号の事故後、初の打ち上げとなった2005年7月26日のミッションSTS-114で、ミッションスペシャリストとしてスペースシャトルに乗船している。

(C)NASA

 

と、紹介してみたものの…、「タメ年」というなんともなれなれしい雰囲気の言葉と、「宇宙飛行士」という極めて従事する人の少ない、特殊な職業を並べるのはいささか違和感がある。過去に本誌でも、たくさんのタメ年の方々に登場していただいた。ミュージシャン、俳優、医師などなど、いろんな職業の方がいたが、当然同じ職業でも複数のタメ年の方がいるというのが普通だ。もちろんなかには、珍しい職業の方もいらっしゃるが、他に昭和40年男がいるかどうかは不明ながらも、たまたま確認できないだけで、「いる」という可能性はある。しかし、「昭和40年生まれの日本人宇宙飛行士」と言えば野口以外には存在しないというのは明らかな事実なのだ。日本人で宇宙飛行をした人は現在までで12人、その生年をみると、39年生まれの古川さん、38年生まれの若田さん、43年生まれの星出さんなど、もちろん近い年齢の方もいるのだが、昭和40年生まれはたったひとり、野口だけなのだから。

今後、タメ年で宇宙飛行士になる人はおそらく出てこないだろうから(断定はできないが)、野口が最初で最後の「タメ年・宇宙飛行士!」って、やっぱり違和感ありあり、この語句の連結はないわ(笑)

スイーツ作りも得意な宇宙飛行士と対面した「二刀流」

そんな野口は2018年4月15日に53歳の誕生日を迎えている。そして、4月16日のツイッターで「誕生日のお祝いにプリン作ってみた。表面ボコボコの月面プリンの完成~」という、なんとも可愛らしいツイートを披露している! 宇宙飛行士が作った月面プリン、食べてみたいですね~!

そして、4月23日(現地時間)に行われた、MLBヒューストン・アストロズ対ロサンゼルス・エンゼルスの試合にはアストロズファンという立場で(もちろん職場がヒューストンですから)出演し、二刀流・大谷翔平にインタビューも行っている。今年海を渡ってメジャーリーグに挑戦し、ベーブ・ルース依頼の「二刀流」で注目される大谷だが、その大谷が宇宙好きだと聞くと大変うれしそうな表情を浮かべていたのが印象的だった。大谷に会える野口が羨ましいなと思ったが、いやいや! 多くの少年の夢である「宇宙飛行士」に会うことができた大谷も羨ましい。なんて豪華なツーショットなんだ! 野口とのインタビュー中、テレビ越しに見た大谷の表情は心なしかいつもよりさらに少年っぽくなっていたような気がした。

「将来どんな人になりたい?」「なりたい職業は?」と聞かれたら、今時の子供たちなら「宇宙飛行士!」と答える子もきっとたくさんいるだろう。昭和40年男が子供の頃は、宇宙飛行士なんて「夢のまた夢」日本人が宇宙に行けるなんて、現実として考えられないような時代だった。アメリカのディズニーランドですら一生に一度行けるかどうかっていうような時代でしたから。 その、とてつもない夢を叶えた宇宙飛行士は、大谷へのインタビューを、「今度はぜひNASAに尋ねて来て下さい」という言葉で締めくくっていた。日本を代表するビッグなふたりにしばし感動したインタビューシーンであった。

 

~そして次なるミッション~

(C)NASA EVA(船外活動)STS-114で野口のはじめての宇宙遊泳

今まで、数々のミッションをこなしてきた野口だが、既に次なる大仕事が決まっているようだ。世界では日本の「はやぶさ2」にも大きな注目が集まっているが、そんななか、来年には、ISS(国際宇宙ステーション)第62次/第63次長期滞在搭乗員のISSフライトエンジニアとして、ISSロボットアーム操作等を実施するというミッションが予定されているという野口。すでにその訓練も始まっているというから、ぜひともその任務を無事に成功させてほしいものだ。まさに昭和40年男の「星」である野口の今後の活躍に大いに期待がふくらむ。

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