姫路城の守護神である長壁(おさかべ)神社の例祭にちなむ夏祭り「姫路ゆかたまつり」が6月22日から24日まで開催されるそうだ。
文化3年(1806年)江戸時代の古地図にその長壁神社と思しき場所が記されているようだったのでちょっとおもしろいなと思い、載せてみた。昔の人は、今のようにドローンもないのに、よくこのような俯瞰した地図が正確に書けたものだと感心してしまうのですが、メインのお話しはこの地図ではなく、その頃から行われていたという「ゆかた」にちなんだお祭りの話。
実はこのお祭り、単なるゆかた祭りではなく、なんと「夏祭りと言えばゆかた」という日本文化・ジャパニーズクールの発祥とも言われているので、ほんの少しだがその起源をご紹介しよう。
「ゆかたまつり」の起源
江戸時代初期に建てられ、天守などが現存し国宝・重要文化財などに指定されている姫路城。その姫路城のある姫山に千年以上前から鎮守神として祀られていた長壁神社は、その昔は武士しか参拝が許されていなかったのだという。その神社に庶民が参拝できるようになったのは寛保2年(1742年)6月22日に遷座祭が開催された時からだそう。そもそも「浴衣」というだけあって、本来は外出に着るものではなかったが、着物を用意できない庶民も「ゆかた」を着て訪れてもよいというお許しがでたことから、それ以降夏祭りなどでゆかたを着るという庶民の風習が広まっていったと言われているのだそうだ。
いきなり昭和40年も大正も明治も通り越して江戸時代に飛んでしまったけど、今は繁華街の中ににあるこの長壁神社が、この地図の時代には一体どんな風景の中にあったのだろうと想像するとなんだか少し不思議な気分だ。何年か前に「JIN-仁-」という、現代の医者が江戸時代にタイムスリップするというドラマ(原作はマンガ)があったが、もし本当にそんなことができたら「2018年でもお祭りやってますよ」とその時代の人に教えてあげたい気分になる。
ジャパニーズクールを楽しもう
もともとは「ゆかたまつり」と言えば、この姫路の「ゆかたまつり」を指すものだったのだが、最近では○○ゆかた祭りというものが全国各所で開催されるようになったため、現在は「姫路ゆかたまつり」という名称で親しまれるようになった。この元祖ゆかたまつり、パレードやステージイベントなど楽しい企画も盛りだくさん!機会があったらぜひ一度訪れてみてはいかがだろうか。その際にはぜひとも「ゆかた」を着て!
長壁神社の場所は下記をクリック! 城下町は昔も今もあまり変わらないようです。