角川映画の第一作である『犬神家の一族』が1976年に公開されてから今年で35年。それを記念して角川3人娘の作品9タイトルが6月24日に発売される。
角川書店が映画路線に乗り出して大成功した時期がある。今でこそ当たり前になったが、当時は斬新であった映画を中心としたメディアミックス戦略の先駆けとして『犬神家の一族』や『人間の証明』で大成功を収めた。そして、この後に展開されたのが看板アイドル女優による映画制作であった。3人娘とはその当時の看板アイドル女優3人のことであり、昭和40年男にとっては言わずと知れた薬師丸ひろ子、渡辺典子、原田知世の3人である。
彼女たちは、テレビへの露出機会が極めて少なく、銀幕で活躍する映画スターとして存在していたことで、若い観客を映画館へ呼び戻した。我々もその一人であるわけだ。78年の『野性の証明』、81年の『セーラー服と機関銃』、そして82年の『伊賀忍法帖』、83年の『時をかける少女』、84年の『愛情物語』、『Wの悲劇』、『晴れ、ときどき殺人』と、日本映画界の停滞を打ち破るヒットを連発。一躍スターダムにのし上がったのだ。
その彼女たちの作品が今回再発売されることになった。タイトルは以下の通り。
●薬師丸ひろ子:里見八犬伝/Wの悲劇/メイン・テーマ
●原田知世:時をかける少女/愛情物語/天国にいちばん近い島
●渡辺典子:晴れ、ときどき殺人/いつか誰かが殺される/結婚案内ミステリー
当時夢中になった人も、ファンだったという人も、懐かしく思えることは間違いない。