老後に1億円必要!? ほったらかしでもきちんと貯まる仕組みづくりをすれば大丈夫という、『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社刊)が6月15日に発売された。
人生100年時代。よく言われるのが「退職後のセカンドライフのために、60歳までに1億円」というフレーズ。お金が貯まらないまま定年を迎えたら老後、資金がショートしてしまうのでは?と、心配になる昭和40年男もいるのではないだろうか。
そんな人には、勝手に貯まる仕組みと自動でふえるしかけをつくれば、お金オンチの人でも「老後破産」は回避できるということを丁寧に紹介している本書がおすすめ。
数多あるマネー情報のうち、本当にやるべきことを、見る、決める、変える、の3ステップにしぼり込んで具体的に紹介されている。さらに長期的に安心を得たい人のために、見通す、動かす、のステップも紹介。本書に書かれたことをまねしながら一歩ずつすすめていけば、ほったらかしでもなぜか貯まっていき、安心してお金とつきあうことができるようになるという。
老後に資産ショートしないために大切なことは、「気づいたいま、はじめること」。さっそくはじめてみよう!
勝手に貯まる仕組みをつくる
◎過去6ヶ月分の通帳をながめる
◎銀行口座にこだわる
◎ひたすら貯める口座をつくる
◎ラテ・マネーを排除しよう
自動でふえるしかけをつくる
◎人生全体で残高がゼロにならなければOK
◎老後にかかる総額をイメージ~必要な生活費は現役時代の7割~
◎長期・積立・分散でがそろった「つみたてNISA」で投資
◎45歳以上は「確定拠出年金」
監修:風呂内亜矢(ふろうちあや)
1級ファイナンシャル・プランニング技能士。独身時代に貯金が80万円しかないのにマンションを衝動買い。お金の勉強と貯金を始め、現在は夫婦で4つの物件を保有する。読売新聞「OTEKOMACHI」やNIKKEI STYLE「美味しいお金の話」などWeb連載のほか、雑誌、新聞、テレビ出演などの実績も多数。著書に『図解でわかる!投資信託』(秀和システム)、『超ド素人がはじめる資産運用』(翔泳社)などがある
<見る>過去6ヶ月分の通帳をながめる
「貯め体質」に近づくための第一歩は、使い方のクセを知ること。お金の出入りが記録されている通帳は「家賃が一番の出費ね」「ATMでの引き出し回数が多い」など、さまざまな発見があるはずです。「毎月、定期的に引き落とされているもの」「お金を引き出す回数や頻度、タイミング」「月末残高がふえているのか、減っているのか」をポイントに、まずは6ヶ月分見て、おおよそのパターンを把握することからはじめましょう。
<見る>クレジットカード明細を見る
支払い履歴を見ながら、1カ月の消費行動を振り返りましょう。重要なのは「その支払いが本当に満足できるものだったかどうか」という視点をもつこと。忙しくて通えていないヨガスクールの月謝、月額課金しているのに活用していないアプリなど、不本意な支出を明らかにしてムダをなくしましょう。
<決める>銀行口座にこだわる
「学生時代のアルバイトで必要だった」「会社に指定された」口座をそのまま使っている、という人は多くいます。目的や用途に合わせて銀行口座を使い分けることが大切で、頻繁に入出金する生活費用の口座なら利便性と手数料に注目。一方で「絶対に引き出さない」覚悟でひたすら貯める「箱」(口座)をつくるとやる気につながります。このときに気にしたいのは、金利。条件を満たすことで普通預金の金利が高くなるなど、特徴のあるサービスが展開されているネット銀行が狙いめ。
<変える>ラテ・マネーを排除する
「ラテ・マネー」とは「自分にとって実は重要ではないことに使っているお金」のこと。毎朝の習慣で買っている1杯300円のカフェ・ラテのように1回あたりの支払いは少額でも、積み重ねれば1年で10万円にも。「貯め体質」になるためにも、自分にとって価値がないものへの出費は徹底的に排除し、本当に満足できるものだけを買うことが大切です。
<見通す>入ってくるお金、出ていくお金を見通す
老後資金は1億円といっても、リタイアと同時に全額必要なわけでも、まったくのゼロから用意しなければいけないわけでもありません。受け取れるはずの退職金や公的年金、すでに準備している個人年金、貯金を続けたら貯まるお金を試算しましょう。「使う予定のお金」から「受け取れるであろうお金」を引いたものが、これから準備していくべきお金。1億円のハードルはぐっと下がるはず。
<動かす>時間を味方につける長期運用で、じっくりふやす
あなたが働いてお金を稼ぐだけではなく、お金にも働いて(投資)もらいましょう。投資で失敗しにくくなるポイントは「長期・積立・分散」。本書ではおすすめの資産形成として2018年から始まった「つみたてNISA」と「確定拠出年金(iDeCo)」を紹介。
老後の資金づくり、もちろんもう始めている人がほとんどだと思うが、安心して老後を過ごすためのマネー知識はいくらあっても困らない。会社にもよるだろうが、一般的な60歳定年まではもう7年ほどという昭和40年男だから、これを機に今一度見直してみてはいかがだろうか。