リンゴと言えば、古くから「1日1個食べると医者を遠ざける」と言われる身体によいとされる食べ物のひとつだ。皮をむくのが苦手だとか、ひとりで1個は食べきれないとか、諸々ハードルはあるが、日本中のスーパーなどで手に入るポピュラーな果物だから、よほど嫌いな人はともかく、全く食べたことがないという人はあまりいないだろう。今日は、そんなリンゴと、寿命にまつわるひとつの「謎」を解明してみたいと思う。
平均寿命ワースト1位常連県として、いまやあまりにも有名な青森県。厚生労働省が5年毎に発表しているデータによると、男性は昨年ついに9回連続のワースト1位を樹立し、単純計算で恐縮だが、45年間その座を守り抜いていることになる。
リンゴ生産量1位なのに、実は自分たちではあまり食べていないのでは? と思って調べたところ、消費量も1位であった…。リンゴ生産・消費量共に2位の長野県が、かつての長寿県沖縄を抜いて長寿県の常連となって久しいが、この雲泥の差は一体どこから生まれてくるのか?! その謎に迫れ! と意気込んでみたら、意外にあっさりと回答と思しきものが出るわ、出るわ(笑)
- 「スポーツをする人の割合」ワースト1位
- 「喫煙率」ワースト1位
- 「多量飲酒者率」ワースト1位
- 「炭酸飲料消費量」1位
- 「カップ麺消費量」1位
- 「食塩摂取量」2位
- 「肥満者数」4位
なんと、「酒・たばこ・運動不足」のまったく見事な逆三冠王であった…
実を言うと私は青森県生まれなのだが、この惨憺たる事実にはあまりのことに笑いが止まらなかった。そして思った。この恥ずかしい現実をさらしても、たぶん抗議する県民はいないだろうことも…。「好きだごとやって(酒・たばこ)死ぬんだばいっきゃ!」(訳:好きなことをして死ぬならそれでよい)という「もつけ」(津軽弁で愛すべきバカという意味)なのだ。積雪が多いだとか日照時間が短いだとか環境因子もいろいろあろうが、そういうことはともかく、食べたいものにとやかく言われたくない、自虐好き(?!)な人たちが多いのであろう。さすがに自治体としては「減塩運動」などの取り組みをしているようだが、民にその意欲がなければ改善は難しいのだ。
何かにつけてワーストオンパレードの青森県だが、名誉のためにひとつ。相撲の幕内力士の数は人口比率ではダントツ1位なのだそうだ。…あ、肥満者数4位ですもんね(^-^;
リンゴは皮ごと食べよう!
ほれ、このとおり、我が故郷ながら割とどうしようもない県民性ではあるのだが、特産品のリンゴに罪はなく、やはり健康のためにはなるべく食べておきたい食品であることを、今一度アピールしておこう。何も1日1個でなくてもよいので、時々、意識して食べる(夜より朝がお勧め)よう心がけてみてはいかがだろう。とお勧めしていたら、なんかピピッときた! そうそう、「リンゴをかじると歯茎から血が出ませんか?」なんて、皮ごとリンゴを丸かじりするなんてのがあったが、そんな「ナウい」のはCMの世界の話。我が実家では4つくらいに切り、皮をむいて食べることが多く、「リンゴをかじる」といった記憶はあまりないのだ。別に丸ごとかぶりつく必要はないが、大事な栄養は皮のすぐ下にあるそうなので、できれば皮ごと食べることをお勧めします! もちろん洗ってね。あと、まさか食べる人はいないと思いますが、種には毒性があると言われているのでくれぐれも種は食べないように。
最後に青森県民の名誉のために真面目にひとつ。
厚生労働省が2018年3月に発表した都道府県別の「健康寿命」ランキングでは男性34位、女性20位と同県にしては珍しく「ワースト一桁台」を免れ、大健闘している。国の方針としては、平均寿命と健康寿命の差を縮めることが望ましいとしているようだが、その視点から言えば、平均寿命1位の県における健康寿命との差異より少ない差異の青森県は実はちょっとだけ優秀ということなのかもしれない。リンゴ=医者いらずの効果ここに発揮せり!
「謎」はおそらく大方の予想を裏切ることなく解明され、めでたし、めでたし!