主婦に特化した人材サービス『しゅふJOB』の調査機関、しゅふJOB総研が行った「引退年齢と年金」をテーマにした、働く主婦層へのアンケート調査からとても興味深い結果が発表されている。昭和40年男たちの妻世代も多く回答を寄せていると思われる本アンケート、65歳までは働きたいという女性が8割近くいるというのは以外?それとも納得の数字?このアンケート結果をもとに、夫婦・家族でディスカッションしてみるというのはどうだろうか。
1.引退するとしたら「65歳以上」79.0%、全回答者の平均68.4歳
2.年金受給開始年齢の70歳以降選択可能案に「賛成」29.9%、「反対」40.0%
◇寄せられたフリーコメントより抜粋(年代:雇用形態)
<年金の受給開始年齢70歳以降選択制について「賛成」と答えた人>
・昔の70歳より、今の人は若いから(50代:派遣社員)
・70歳を過ぎても、働く人がふえてきたので(50代:正社員)
・選択制なのであれば別にいい。自分は選択しないというだけで(40代:公務員/団体職員)
・早くもらっても受給額は少ないから(40代:今は働いていない)
・この選択肢を増やすなら、ずっと働ける受け皿もちゃんと作ってほしいです(50代:その他)
・寿命が伸びて支出も増えすぎるだろうし、不謹慎だけど、ちょっと欲張って貰いきれずに旅立つ人が増えれば…(30代:パート/アルバイト)
・そうしないと年金制度が維持できないから(60代:派遣社員)
・昔と違い、今の70歳は元気で健康で、知識もあるのでぜひ社会貢献もかねて就労していただきたい(40代:パート/アルバイト)
・賛成せざるを得ない気がします(30代:今は働いていない)
・人生100年時代だから、選択肢が増えることは賛成(50代:パート/アルバイト)
<年金の受給開始年齢70歳以降選択制について「反対」と答えた人>
・早く頂きたいのが当たり前だと思うので(40代:パート/アルバイト)
・65歳でいいのでは。高齢者は増えていくから、自分の年金は自分で稼げって?(50代:今は働いていない)
・何才まで生きるか分からないから(50代:パート/アルバイト)
・年金制度はもはや限界だと思うから(30代:正社員)
・60歳以降も仕事があるかわからない(40代:パート/アルバイト)
・定年と年金開始を同時にしなければ意味がない(50代:派遣社員)
・そのままずるずると受給開始年齢が上げられる気がするので(50代:パート/アルバイト)
・受給できないと想定して、年金保険料を払わない人が増えると思います(40代:今は働いていない)
・自分自身が癌持ちで、そんなに生きられないから(50代:今は働いていない)
・代々短命の家系の為(40代:派遣社員)
<年金の受給開始年齢70歳以降選択制について「分からない」と答えた人>
・リスクが分からない(50代:パート/アルバイト)
・自分がどれくらい長生き出来るのか分からないから(40代:派遣社員)
・賛成も反対も関係なく有無言わさずそうなるであろうと言われていたから。どちらにしろ良い印象はない(40代:今は働いていない)
・受給開始年齢よりも支給額が気になる(50代:パート/アルバイト)
・年金がそもそも受け取れるかもわからないから(50代:パート/アルバイト)
・どちらでもいいからです(50代:今は働いていない)
・自分がその年にならないと生活の状態がどうなっているかわからないから(50代:パート/アルバイト)
・元気でいれば賛成、病にかかっていたら反対。70歳で元気でいることが前提なのでなんとも言えません(30代:パート/アルバイト)
・高齢者が働ければ それは個人の自由では無いでしょうか! (50代:パート/アルバイト)
・高齢者の生活の状況により決めるほうがいいと思います。年齢で一律にしてしまうと、|ますます生活困窮が悪化しそうなため(40代:その他)
■しゅふJOB総研 所長 /川上敬太郎より
平均寿命は上昇の一途をたどり、今や超高齢社会。定年について法律で義務付けられている年齢は60歳以上で、雇用延長義務期間を入れても65歳まで。人生100年時代の到来が現実味を帯びつつある中で、主婦層は何歳まで働きたいと考えているのでしょうか。しゅふJOB総研で調査したところ、65歳以上と回答した人が約8割、70歳以上と回答した人も半数近くにのぼりました。全回答者の平均値は68.4歳。企業の雇用義務年齢を超えています。もちろん個人によって考え方は様々ではありますが、全体としては長く働きたいという傾向があるようです。
一方政府は、年金の受給開始年齢を70歳以降でも選択できるようにすることを検討しています。その賛否を尋ねたところ、反対が賛成を上回る結果となりました。フリーコメントを見てみると多かったのは、定年後に仕事があるかどうかがわからないという不安の声です。また年金受給年齢になったころの自分の健康状態を心配する声も多数見られました。財務省からは、年金支給開始年齢を68歳にする案が示されたばかりですが、「そもそも年金制度自体が限界なのではないか」という懸念も寄せられており、安心して老後を迎えられる社会のあり方を問い直す時期に来ているように感じます。何歳になっても働かざるを得ないというネガティブな超高齢社会ではなく、生きがいとしての仕事を生涯続けられるポジティブな超高齢社会にしていくための制度設計が必要なのだと考えます。
■調査概要
調査手法:インターネットリサーチ(無記名式)
有効回答者数:712名
調査実施日:2018年3月14日(水)~2018年3月28日(水)まで
調査対象者:ビースタイル登録者/求人媒体『しゅふJOBパート』登録者