家族で切り盛りする店はよい!!

惚れ惚れするほどの呑んべえ好みな写真は、煮込みに貝ヌタ、鳥皮ポン酢のトリオと吉四六のボトルである。本当は日本酒が呑みたいのだが血糖値が気になるおっさんは焼酎なのだ。って、乙類の焼酎ではあまり大差ないらしいが、そこは気持ちの問題ということだな。

このブログで何度か紹介したことがある、ここの煮込みは僕が知っている中ではベストワンだ(好みはあるから口に合わなくても文句は言いっこなしですよ)。僕は敬意を込めて宇宙一(うまい)と命名して、座るなり必ずオーダーする。店の若旦那も嬉しそうに「はい、宇宙一」と答える。『鳥八』の看板で下丸子の裏通りにひっそりと店を構えていて、昭和41年創業だというのだから大したものだ。『鳥八』と名乗るままに焼き鳥などの鳥料理は絶品である上、魚も新鮮な刺身から焼きに煮魚もこなす。揚げ物もカラッと美味しく、和風ピザなんて創作系も素晴らしく、家の近所にあることを神に感謝するほどのクオリティと安さの店だ。

主人は寡黙な方で、その息子夫婦が元気に切り盛りしている姿がこの店のなによりのご馳走である。最近、こうした呑み屋が多く廃業している。俺たちが慣れ親しんだ街の中華屋やそば屋なんかも同様で、息子にこんなきつい仕事はさせられないとの声をよく聞く。お年を召したご主人夫婦が踏ん張っている行きつけの店を僕はたくさん知っているが、後継者問題がうまくいっているのはここくらいだ。決してラクな道ではなかろうが、昭和41年創業のわりに店がキレイなのはその決意で改装を施したのだろう。

前述の通り、すべての料理がきちんとしているうえ創作料理もこなす。そしていつも感心させられるのがホワイトボードに書かれた本日のおすすめだ。ここにもチャレンジングな創作物が入っていたりして、常連には変化が楽しい。そんな努力を怠らないのは、やはり息子夫婦の覚悟が現れているのだ。後継者がいない昭和な店は何も変わらないところが多い。その味が好きで通っているのだから文句はないが、寂しい気持ちになってしまうのは偽らざる気持ちだ。だからよけいにここ『鳥八』に通ってしまうのである。

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