「次はさしすせそだな、ハッハッハ」
なんのこっちゃときっと皆さん思われたことだろうが、まあまあお聞きくださいませ。僕がバイトしていた上野の居酒屋の名称が「あいうえお」だった。17歳の春のことで、世の中は大型激安居酒屋がブームだった。イッキも大ブームで大学生たちはユニークな掛け声を開発してはトイレを汚していく… なんて日々だった。
「あいうえお」は上野の飲屋街、仲町通りで一番流行っているんじゃないかというほど、連日たくさんの客を飲み込んだ。僕が入店した頃が1周年とのことだったから、まさしくブームに乗って開店してまんまとハマっての繁盛だ。気を良くした (!?) オーナーは、当然二匹目のドジョウを狙う。そうして誕生したのがばかばかしいことに「かきくけこ」だった。200席以上の大箱で「あいうえお」と目鼻の距離に堂々オープンした。
この店のオープン日のパニックは今も忘れない経験だ。何がどこにあるのかわからない状態で、ホール係全員が「〇〇はどこじゃー」「ここじゃここじゃ」を繰り返しながらの営業で、パニックながら全員その状態を笑いながら汗をかいた。若さとはパニックさえも楽しめるのだ。
ここまでくれば冒頭のセリフはご理解いただけただろう。「かきくけこ」で働いていると、酔っ払った客から毎日のように言われたのだ。耳にタコ状態だったが、これはもしかしたら三匹目のドジョウを狙ったオーナーもうんざりしていたのかもしれない。そう、次にこの会社が展開した大箱居酒屋は「あいうえお弐番館」だったのだから。このおかげでいつもうんざりさせられていた「次はさしすせそだな、ハッハッハ」と笑う酔っぱらいに「いえいえ、ないですね。あいうえお弐番館が3店目なんですよ」と、反撃できるようになったのである。
さて先日、久しぶりに上野を歩くとなんとこの看板を見つけてしまった。僕が日々汗を流した「かきくけこ」の場所に、よりによって「さしすせそ」があったのだ。30年以上前になるあの日の反撃はウソになっちまったのさ、ちゃんちゃん。
その弐番館でバイトしてました!当時最新の(笑
パイオニアのレーザーディスクがありました。誰も見てなかったけど^_^
3階まであって、結構繁盛して毎日忙しかったなぁ。懐かしい!
投稿ありがとうございます。そうですか。仲良くしていただいていた吉田店長は何しているかなあ。あそこで働いていた青柳は今の会社の相棒です。時代が違いますかね。
い、いつの間に『さしすせそ』が…
次は『たちつてと』か?
はたまた『あいうえお参番館』なのか!?
いきたいですね、さしすせそ。いつかご一緒しましょう。