今日はガツンと食いたい。そう思った時に出かける昭和なそば屋がある。浜松町の誇る、かつては日本一高かったこともある貿易センタービルの地下食堂街だ。ここにはビルオープンから入っているのではなかろうかと感じさせる、昭和な飲食店がいくつかあり僕を喜ばせてくれる。以前も、ここの“モツル”ビールを提供する昭和なイタリアンレストランを紹介したことがある。今日ご紹介するそば屋も実に昭和な店だ。ちょくちょくお世話になっていて、このブログのネタによく出てくる江戸時代から続く老舗そば屋の布屋更科の貿易センター店である。いつも行く方は昭和を感じさせる中に江戸から続く重さがあるが、こっちはまるで昭和の街に迷い込んだような風情がいい。そしてメニュー構成はほとんど同じなのに、値段や量が異なったりしておもしろくその日食いたいメニューで使い分けている。写真のカツ丼とカレー南蛮の組み合わせは断然貿易センタービルの方がいい。写真からでもボリューム満点が伝わるだろう。
それにしても丼とカレー南蛮なんて他ではまず見ないセットで、丼は親子と天丼もラインナップされている。そばはざると花巻、そしてガツンといけるカレー南蛮から選べるのだから食いしん坊にはたまらない。さらに味噌汁と漬物がついている。本店と比べるとそばの量が多く、かつも大きい気がする貿易センタービル店で、本店では900円でこっちは880円で断然お得に感じさせる。なぜこうなっているのか理由は定かでないが、チェーン店でないとこうした不思議があってよい。
そして何より、ここで働くおばちゃんたちがいい。羽田空港からのモノレール駅と直結だから旅行客が多く、そんな方に積極的に声をかけている姿が微笑ましい。どこに行ってきたんだとか、スカイツリーより東京タワーの方が絶対にカッコいいなんてオラが自慢をかます。旅行者もこんなあったかいそば屋に入ったら悪い気はしないだろう。2021年に解体が決まったビルだから、こんなコミュニケーションも無くなってしまうのだ。隠れた東京の観光スポット(!?)、貿易センタービル地下食堂街へぜひ出かけてみてくれ。