いよいよ本日、パストフューチャー特集号 (vol.49) が編集部に届きました。外出先から帰社したら編集部に届いていて、「キターー!」と叫びたくなる気持ちをぐっとこらえてほくそ笑みます。この仕事やってると、この瞬間がいちばんうれしいかも。
で、今日紹介するのは、昨日のブログにもつながりますが、絵師のみなさんが少年誌や児童書に展開した未来予想図の記事です。
この見開き、実にいいでしょう? これはプラモデルの箱絵などでも有名な小松崎茂作品です。こうした宇宙進出や未来都市、未来の乗り物などを描いたイラストが、少年マンガ誌のグラビアを飾っていた時代がありました。そうしたグラビアが一世を風靡していたのは1960年代前半頃までなので、多くの昭和40年男は直接、それを手にとって眺めた世代ではありませんが、数々の児童書などにも展開されていたので、学校の図書室などにはたくさんあったはず。きっとワクワクしながらそれらを開いていたのではないでしょうか。
科学の進歩が創り出す明るい未来を描いたこれらの作品は、敗戦を乗り越え高度経済成長を実現した日本にとっては夢と希望そのもの。新しく作られる道路、高層ビル、橋、トンネル… 日々変わっていく風景や、次々に登場する新製品、新サービスの数々は、限りない成長と発展を信じさせるのに十分なインパクトを持っていました。
この記事では、そうした明るい夢と希望に満ちた未来の世界を描いたイラストの数々を紹介しています。宇宙・都市交通・ロボット・コンピュータ・海底といったカテゴリー別に、小松崎茂、伊藤展安、梶田達二、南村喬之、長岡秀星、生頼範義といった絵師たちのすばらしい作品を10ページにわたってずらり並べることができました。どのイラストも迫力満点、CG全盛となった現在の作品とは明らかに異なり、その細かな筆致に細部まで見入らずにはおれません。いつまでも眺めていたいと思わせる魅力的なものばかりで、今回の特集のなかでもきっと目をひく記事になっているはずです。
こうしたイラストが描いたユートピア幻想は、昭和40年男が小学校低学年の頃には崩れ始め、ディストピアな未来観が一気に広がっていくわけですが、それについてはまた別の記事にまとめているので、お楽しみに。ということで、『昭和40年男』最新パストフューチャー特集号は5月11日に全国の書店・コンビニで発売予定です。