今日より9連休に突入なんて方もいれば、今日からの連休こそが書き入れ時の方も多いでしょう。僕が住む団地のエレベーターで昨日こんな会話を聞いた。「ゴールデンウィークはどうされるんですか?」「いやいや、百貨店勤務ですからむしろ書き入れ時です」「じゃあ、お正月とかも最近は大変ですね」なんて会話があり、オチは「まあ、今年で定年ですから」だった。この短い会話の中にいろんなことを考えさせられてしまった。質問した男はきっと今日よりGWを満喫する予定だろう。オチが定年だからなおさらである。
そして迎えた今日。朝の情報バラエティでは南北問題と一緒に渋滞情報なんかがごった煮になっていた。我が国の平和がこのままずっと続いて欲しいものである。そしていつもの通り会社へと向かい、浜松町の駅に着くとでっかいスーツケースを引く方のなんと多いことか。羽田空港とモノレールがJR浜松町駅と繋がっているから、連休は人でごった返す。幸せそうな家族連れを見ていると、平和を再確認しながら長く続くことを祈る気持ちになる。
会社へと向かっていくとさっきまでの喧騒は嘘のようにがらんどうの街になる。開いている店も少なく、人もまばらだ。交通量も少なく、なんとなく空気が澄んでいる気がした。年末年始とGW、夏休みに見るいつもと全く異なる表情の浜松町は楽しみにもなっていて、ガランとした寂しさと平和をまったりと眺めてから出社するのはひとつの儀式のようでもある。
かといえば、増上寺や東京タワーに浜離宮など、都内を代表するような観光スポットも多く、たくさんの人を飲み込んでいる。不思議な街である。これほどの至近距離で観光地とオフィス街の2つの表情を見せる街も珍しい。こっちサイドではほとんど開いていない飲食店が、増上寺界隈ではまさしく書き入れ時となる。しょっちゅう行くそば屋の一軒は増上寺の参道にあるから寄り付く気も起きず、もう一軒の会社寄りのそば屋は休みを満喫なさる。2店の距離は歩いて5分ほどしかないのだからおもしろい。そして僕は途方にくれる。そばが食えないのである。今日のランチはコンビニのざるそばかなあ。